1件 不当と認める国庫補助金 5,933,000円
私立大学等教育研究活性化設備整備費補助金は、我が国の高等教育の活性化や教育の質の向上に資することを目的として、学校法人が設置する私立大学等が大学改革に組織的及び体系的に取り組むのに必要な設備備品費等を国が当該学校法人に対して補助するものである。
私立大学等教育研究活性化設備整備費補助金交付要綱(平成24年文部科学大臣決定)等によれば、この補助金の交付額は、補助事業を実施するために必要な設備備品費等のうち文部科学大臣が認める経費を補助対象経費とし、これに対して予算の範囲内で交付することとされており、次年度以降の経費は補助の対象とならないこととされている。
本院が、27学校法人において会計実地検査を行ったところ、1学校法人において次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。
部局等 | 事業主体 | 補助事業 | 年度 | 補助対象経費 | 左に対する国庫補助金交付額 | 不当と認める補助対象経費 | 不当と認める国庫補助金 | 摘要 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(31) | 文部科学本省 | 学校法人栴檀学園 | 語学・異文化学習支援室の整備 | 25 | 9,408 | 9,408 | 5,932 | 5,933 | 補助の対象外(東北福祉大学) |
学校法人栴檀学園は、平成25年度に、同法人が設置する東北福祉大学における語学・異文化学習支援室の整備を実施しており、eラーニングシステムの利用に係る経費等を対象として、補助対象経費を9,408,032円(国庫補助金9,408,000円)と算定していた。
しかし、同法人は、補助の対象とならない次年度の同システムの利用に係る経費5,932,328円を補助対象経費に含めていた。
したがって、これを除外して、適正な補助対象経費を算定すると3,475,704円となり、これに対する国庫補助金の額は3,475,000円となることから、前記の国庫補助金交付額9,408,000円との差額5,933,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同法人において補助対象経費についての理解が十分でなく、次年度の経費を含めて交付申請書、実績報告書等を提出していたのに、文部科学省においてこれらに対する審査が十分でなかったことなどによると認められる。