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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第6 文部科学省|
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  • 補助金

(7)沖縄振興公共投資交付金(学校施設環境改善に関する事業)が過大に交付されていたもの[文部科学本省](36)


1件 不当と認める国庫補助金 3,649,000円

沖縄振興公共投資交付金(以下「交付金」という。)は、沖縄振興特別措置法(平成14年法律第14号)等に基づき、沖縄の実情に即した事業の的確かつ効果的な実施を図ることを目的として、沖縄県が作成した沖縄振興交付金事業計画(以下「事業計画」という。)に基づく事業のうち、沖縄の振興の基盤となる施設の整備に関する事業の実施に要する費用に対して、国が同県に交付するものである。

文部科学省は、事業計画に基づく事業のうち、公立学校の施設整備を推進して教育環境の維持及び向上を図るために、学校施設環境改善に関する事業を行う市町村に対して同県がその費用の一部を交付するなどの場合に、同県に交付金を交付することとしている。

交付金の交付額は、沖縄振興公共投資交付金交付要綱(学校施設環境改善に関する事業)(平成24年文部科学大臣決定)等によれば、事業計画に記載された事業のうち、算定の対象となる事業(以下「交付対象事業」という。)ごとに、文部科学大臣が定める方法により算出した配分基礎額に交付対象事業の種別に応じて同大臣が定める割合(以下「算定割合」という。)を乗じて得た額の合計額と、交付対象事業に要する経費の額に算定割合を乗じて得た額の合計額のうち、いずれか少ない額を基礎として算定することとされている。このうち、配分基礎額については、配分基礎額を算定する際の基礎となる面積(以下「配分基礎面積」という。)を算定して、これに交付対象事業の種別に応じて定められた単価を乗ずるなどの方法により算定することとされている。

また、文部科学省の事務連絡によれば、交付対象事業において、交付金及び地方債以外の移転補償費や火災保険金等の特定財源がある場合には、交付金が過大に交付されることのないように、交付金の交付額の算定に当たり、特定財源の額を基に所定の算定方法により配分基礎面積を減じた上で、これにより配分基礎額を算定することなどとされている。

本院が、同県及び管内の5市町において会計実地検査を行ったところ、1市において次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。

  部局等 補助事業者 間接補助事業者
(事業主体)
年度 交付金の交付額 不当と認める交付金の交付額 摘要
  千円 千円
(36) 文部科学本省 沖縄県 浦添市 24 280,849 3,649 特定財源の額を基に配分基礎面積を減じていなかったもの

浦添市は、学校給食施設である港川共同調理場の敷地の一部が沖縄総合事務局が実施している道路事業区域の対象となったため、交付金の交付対象事業として同調理場を移転するなどの共同調理場改築事業等4事業を実施して、同県から交付金280,849,000円の交付を受けていた。

しかし、同市は、同調理場の移転に伴って沖縄総合事務局から移転補償費として874,645,800円を受領しており、交付金の交付額の算定に当たり、特定財源である上記移転補償費の額を基に所定の算定方法により配分基礎面積を減じた上で、これにより配分基礎額を算定する必要があったのに、これを行わないまま配分基礎面積を862m2と算定するなどしていた。

したがって、上記移転補償費の額を基に所定の算定方法により配分基礎面積を733m2に減じた上で、これにより配分基礎額を算定するなどして、適正な交付金の交付額を算定すると277,200,000円となることから、交付金3,649,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同市において交付金の交付額の算定方法についての理解が十分でなかったこと、同県において同市から提出された実績報告書等に対する審査が十分でなかったことなどによると認められる。