(1件 不当と認める国庫補助金 2,470,000円)
部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(325) | 林野庁 | 長野県 | 大町市、北安曇郡松川村 | 森林整備地域活動支援交付金 | 25 | 4,940 | 2,470 | 4,940 | 2,470 |
大北森林組合 (事業主体) |
この交付金事業は、計画的かつ適切な森林の保護等に関する森林経営計画の作成の促進を支援することなどを目的として、林野庁が都道府県に対して基金を造成させるために森林整備地域活動支援交付金を交付するものである。
森林整備地域活動支援交付金実施要領(平成14年13林政企第118号農林水産事務次官依命通知)等によれば、都道府県は、林野庁の交付金により造成した基金を取り崩して、市町村を通じて交付金(以下「県交付金」という。)を森林組合等の交付対象者に交付することとされている。そして、森林経営計画の作成を促進することを目的とした事業について、市町村は、森林の情報を収集したり、森林経営計画の策定について森林所有者等の合意を取り付けたりするための活動等(以下、これらを「地域活動」という。)に係る実施結果報告書の提出を交付対象者から受けて、森林経営計画の策定について書面により森林所有者等の合意が得られるなどした森林(以下「積算基礎森林」という。)の面積に要領等で定める交付単価を乗じて算出するなどした額を交付対象者に交付することとされている。また、市町村は、実施結果報告書の提出の翌年度までに森林経営計画が策定されなかったなどの場合、交付対象者に県交付金を返還させて、これを都道府県に返還することとされている。
そして、大北森林組合(以下「組合」という。)は、平成25年度に、長野県から県交付金の交付を受けて、大町市及び松川村の森林について、森林経営計画の作成を促進することを目的として、地域活動を事業費計4,940,000円(県交付金計2,470,000円、国庫交付金相当額同額)で実施していた。
しかし、組合は、森林経営計画の策定について書面により森林所有者等の合意が得られていない松川村の森林計30.00haを積算基礎森林としていた。また、組合は、実施結果報告書の提出の翌年度までに大町市の森林に係る森林経営計画を策定していなかったが、同市は、組合に対して県交付金を返還させていなかった。
したがって、県交付金の交付の対象とならない森林を積算基礎森林としていたり、実施結果報告書の提出の翌年度までに森林経営計画が策定されておらず補助の目的を達していなかったりしていたため、取り崩された基金計2,470,000円(国庫交付金相当額同額)の使用が適切でなく、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、組合において交付金事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、2市村において実施結果報告書及び森林経営計画の策定状況の確認並びに組合に対する指導等が十分でなかったこと、同県において2市村及び組合に対する指導等が十分でなかったことなどによると認められる。