(1件 不当と認める国庫補助金 49,764,812円)
部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(326) | 中国四国農政局 | 八幡浜市 | 八幡浜漁業協同組合 (事業主体) |
農山漁村活性化プロジェクト支援交付金 | 23 | 226,689 | 107,947 | 165 | 78 |
農林水産本省 | 愛媛県 | 八幡浜市 | 地域自主戦略交付金 | 24 | 185,545 | 88,354 | 104,343 | 49,686 | |
八幡浜漁業協同組合 (事業主体) |
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計 | 412,234 | 196,301 | 104,508 | 49,764 |
この交付金事業は、八幡浜漁業協同組合(以下「漁協」という。)が、愛媛県八幡浜市八幡浜港地区において、老朽化した水産物冷蔵保管施設を建て替えることにより、農山漁村の活性化を図るために、平成23年度に冷凍冷蔵施設(延べ床面積1,357.6m2)の建築、同施設の冷却に必要な冷凍機5基を据え付けるためのコンクリート造の基礎(以下「機械基礎」という。)の築造等を八幡浜市を通じて交付された農山漁村活性化プロジェクト支援交付金により実施し、24年度に冷凍機を調達した上で、それらを機械基礎にアンカーボルトで固定して据え付けるなどの工事を愛媛県及び八幡浜市を通じて交付された地域自主戦略交付金により実施したものである。
このうち、機械基礎は、建物の床スラブ上に厚さ10cmの押さえコンクリートを打設するなどした後、その上に厚さ30cmのコンクリートを打設して築造したものである。
本件機械基礎の設計については、「建築設備耐震設計・施工指針」(財団法人日本建築センター編。以下「指針」という。)に基づき行っている。指針によれば、本件冷凍機(重量2.2t~4.7t)のように、大型で重量のある設備機器を据え付ける場合には、機械基礎は、建物の床スラブと一体構造とすることとされている。
しかし、指針において、機械基礎と建物の床スラブとを一体構造とするためには、配筋して緊結することとなっているのに、誤って、これを緊結することとしていなかった(参考図参照)。このため、冷凍機5基は、構造耐力上安全な構造となっていない機械基礎に設置されている状態になっていた。
したがって、本件機械基礎及びこれに据え付けられた冷凍機(工事費相当額104,508,926円)は、機械基礎の設計が適切でなかったため、構造耐力上安全が十分に確保されていない状態になっており、これに係る交付金相当額計49,764,812円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、漁協において委託した設計業務の成果品に誤りがあったのにこれに対する検査が十分でなかったこと、八幡浜市において本件交付金事業に係る審査及び確認並びに漁協に対する指導及び監督が十分でなかったことなどによると認められる。
機械基礎の概念図
実際の設計(配筋により床スラブと緊結されていない機械基礎)
適切な設計(配筋により床スラブと緊結された機械基礎)