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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • (6)補助金の交付額の算定が適切でなかったもの及び補助の対象とならないもの

農業基盤整備促進事業等の実施に当たり、補助金の算定が適切でなかったり、事業の一部が補助の対象とならなかったりしていたもの[2農政局](332)(333)


(2件 不当と認める国庫補助金 15,541,958円)

  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等 補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(332) 東北農政局 庄内赤川土地改良区
(事業主体)
農業基盤整備促進等2事業 24、25 32,907 32,895 13,238 13,238
(333) 近畿農政局 関津土地改良区
(事業主体)
農業基盤整備促進 26 3,015 3,015 2,303 2,303
(332)(333)の計 35,922 35,910 15,541 15,541

これらの補助事業は、2事業主体が、ほ場の既設吸水管の排水機能を補完するために、吸水管や疎水材(注1)等で構成される暗渠(きょ)排水施設(以下、この施設を「暗渠排水」という。)の新設を実施したものである。暗渠排水は、ほ場内に吸水管を埋設するなどして、ほ場内の地下水、地表残留水等を吸水管に導き入れて排水路まで自然に流下させるものである。

農業基盤整備促進事業実施要領(平成25年24農振第2090号農林水産省農村振興局長通知。以下「要領」という。)等によれば、助成の対象となる経費は、暗渠排水の新設に必要となる経費とされていて、その助成額は、施工対象の耕地面積(以下「受益面積」という。)に助成単価を乗じた額とされ、吸水管の間隔が10m以下の場合の助成単価は、10a当たり15万円とされている。また、吸水管の間隔が10m以上となる場合には、10mを吸水管の間隔で除した割合を乗ずることにより、受益面積を割り引いて助成額を算定することとされている。

しかし、2事業主体において、本件補助事業で新設した吸水管の間隔が10m以上となっていたほ場に係る助成額について、受益面積を割り引いて算定していなかったり、暗渠排水の新設に該当せず補助の対象とならない掃流工(注2)の補修及び疎水材の入替えのみを実施したほ場の面積を受益面積に含めて助成額を算定していたりしているなどの事態が見受けられた。

したがって、本件補助事業について、受益面積を割り引いたり、補助の対象とならないほ場の面積を除いたりするなどして適正な国庫補助金額を算定すると、計20,368,042円となり、国庫補助金交付額計35,910,000円との差額15,541,958円が過大に交付されていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、2事業主体において要領等の理解が十分でなかったこと、2農政局において本件補助事業に係る審査及び確認並びに2事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。

上記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

庄内赤川土地改良区(山形県鶴岡市所在)は、ほ場のうち既設の吸水管だけでは十分な排水効果が得られていない箇所に暗渠排水を新設しており、受益面積計2,143aのうち計1,753aで、新設した吸水管の間隔が10m以上(11.0m~30.0m)となっていた。

しかし、同土地改良区は、上記計1,753aのほ場に係る助成額について、要領等に基づいて、10mを吸水管の間隔で除した割合(0.33~0.90)を乗ずることにより、受益面積を割り引いて算定すべきであったのに、受益面積計1,753aに助成単価(15万円/10a)を乗じていた。

また、同土地改良区は、計192aのほ場で暗渠排水の新設に該当せず補助の対象とならない掃流工の補修及び疎水材の入替えのみを実施していたのに、これらのほ場の面積を受益面積に含めていた。

したがって、本件補助事業について、受益面積を割り引いたり、補助の対象とならないほ場の面積を除いたりするなどして適正な国庫補助金額を算定すると、計19,656,411円となり、国庫補助金交付額計32,895,000円との差額13,238,589円が過大に交付されていた。

(注1)
疎水材  吸水効率を高める目的で、吸水管の周囲を覆うのに用いる透水性の材料(砕石、籾殻等)
(注2)
掃流工  吸水管等の管路内の付着物を流水により除去するとともに、水酸化鉄等の付着を防止することを目的として設置する施設