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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 経済産業省|
  • 不当事項|
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  • (2)補助対象事業費を過大に精算していたもの

補助事業に使用しなかった機器の購入代金を含めていたため、補助対象事業費を過大に精算していたもの[中部経済産業局](342)


(1件 不当と認める国庫補助金 3,390,476円)

  部局等 補助事業者
(所在地)
間接補助事業者
(所在地)
補助事業 年度 事業費
(補助対象事業費)
左に対する国庫補助金交付額 不当と認める補助対象事業費 不当と認める国庫補助金相当額
            千円 千円 千円 千円
(342) 中部経済産業局 株式会社日本海殖産興業
(石川県金沢市)
〈事業主体〉
事業化・市場化支援 22 17,825
(16,976)
11,317 5,085 3,390

この補助事業は、中小企業の新たな事業活動の促進を図ることなどを目的として、事業の分野を異にする2以上の中小企業者が「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」(平成11年法律第18号)に基づく主務大臣の認定を受けた計画に従って新たな事業活動を実施する場合に、その代表者に対して、必要な経費の一部を補助するものである。事業主体は、配送業務において配送先の在宅・不在の情報を蓄積して効率的な配送ルートを作成するシステムを開発して販売する事業に係る計画について上記の認定を受け、この計画に基づき、上記のシステムを組み込んだナビゲーション端末機器(以下「端末」という。)を実際に使用してデータを採取するなどの実証試験等を事業費17,825,200円(補助対象事業費16,976,379円)で実施したとして中部経済産業局に実績報告書を提出して、これにより国庫補助金11,317,331円の交付を受けていた。そして、事業主体は、上記のシステムの販売先として想定される複数の企業に端末を貸し出すなどして上記の実証試験を7日間で実施することとし、このために80台の端末が必要であるとしていた。

しかし、事業主体は、実証試験に必要であるとして購入して貸し出した端末のうち30台について、貸出先の企業から7日間では期間が短く対応できないとして使用されないまま返却されており、補助事業に使用していなかったのに、この購入代金5,085,714円を補助対象事業費に含めていた。

したがって、上記の補助事業に使用していなかった端末30台の購入代金5,085,714円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金相当額3,390,476円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、事業主体において補助事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、中部経済産業局において実績報告書等の審査及び確認並びに事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。