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  • 平成26年度|
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  • (5)工事の施工が設計と相違していたもの

屋上防水改修工事の施工が設計と相違していたもの[栃木県](380)


(1件 不当と認める国庫補助金 5,343,269円)

  部局等 補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度 事業費
(国庫補助対象事業費)
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費)
不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(380) 栃木県 鹿沼市 社会資本整備総合交付金
(公営住宅等ストック総合改善)
23 34,933
(34,933)
17,466 10,686
(10,686)
5,343

この交付金事業は、鹿沼市が、同市坂田山地内において、坂田山市営住宅(鉄筋コンクリート造3階建て2棟)の外壁及び屋上防水改修工事を実施したものである。

このうち、屋上防水改修工事は、経年劣化した既設防水層等の上に塩化ビニル製の防水シート計1,081m2の張付け、排水口回りに塩化ビニル製の改修用ドレン計14か所の取付けなどを実施したものである。

同市は、防水シートの張付けを、固定金具で全面を点状等に固定する「機械的固定工法」で行うこととし、排水口回りの処理については、風圧による防水シートの波打ち現象等の影響が及ばないよう「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)」(財団法人建築保全センター編)、防水シートの製造メーカーの仕様等に基づいて、①改修用ドレンを排水口に取り付け、②その周囲から300㎜程度の位置に固定金具を設置し、③改修用ドレンから固定金具までの間は別の防水シートを接着剤等で貼り付け、機械的固定工法で施工されている防水シートの端部と固定金具とを固定するなどと設計し、これにより施工することとしていた(参考図参照)。

しかし、現地の状況を確認したところ、排水口回りに固定金具や別の防水シートは施工されておらず、機械的固定工法で施工された防水シートの端部が改修用ドレンのつばに直接貼り付けられていた。このため、本件工事の排水口回りについては、風圧による防水シートの波打ち現象等の影響により、貼り付けた部分に力が加わり、改修用ドレンと防水シートとの間に口開きが生じ、防水層の内側に雨水等が浸入したり、防水シートと共に改修用ドレンが引っ張られて改修用ドレンが破損したりするなどのおそれがある状況となっていた。

したがって、本件屋上防水改修工事(工事費相当額10,686,538円)は、施工が設計と相違していたため、所要の防水性能が確保されていない状態となっていて工事の目的を達しておらず、これに係る交付金相当額5,343,269円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、請負人が粗雑な施工を行っていたのに、これに対する同市の監督及び検査が十分でなかったことなどによると認められる。

(参考図)

排水口回りの概念図

排水口回りの概念図の画像

排水口回りの断面概念図

[設計]

排水口回りの断面概念図[設計]の画像

[施工]

排水口回りの断面概念図[施工]の画像