(1件 不当と認める国庫補助金 2,079,220円)
部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(381) | 高知県 | 香美市 | 社会資本整備総合交付金 (公営住宅等ストック総合改善) |
24 | 33,312 (28,666) |
14,333 | 4,832 (4,158) |
2,079 |
この交付金事業は、香美市が、同市土佐山田町神母ノ木(いげのき)地内において、同市が管理している片地団地(鉄筋コンクリート造2階建て4棟)について、外壁、屋上等が経年劣化したことから、外壁及び屋上防水改修工事を工事費33,312,300円(交付対象事業費28,666,000円、交付金交付額14,333,000円)で実施したものである。
このうち、外壁改修工事は、外壁のひび割れが生じている箇所(以下「ひび割れ部」という。)等を改修するなどのもので、設計図書等によれば、当初契約時のひび割れ部の改修は、エポキシ樹脂をひび割れ部に注入する工法(以下「エポキシ樹脂工法」という。)によることとされていた。また、当初契約時の設計図書等におけるひび割れ部の改修に係る設計数量については、概数(計20.0m)によることとされ、工事着工後、請負人が目視及び打診により施工する数量について現地調査を行って、同市が確認した上で概数で計上した設計数量を施工する数量に変更して変更契約を締結することとされていた。そして、請負人による現地調査の結果、ひび割れ部の改修に係る設計数量は計255.6mであったが、同市と請負人との協議の結果、ひび割れの幅はいずれも0.2mm未満と鉄筋コンクリート構造等に影響を及ぼす大きさではないことなどから、ひび割れ部の改修方法は、エポキシ樹脂工法によらず、塗膜防水材を増塗りする工法(以下「塗膜防水工法」という。)によることとして、これにより施工していた。
しかし、同市は、上記の改修方法等の変更に伴い、これに沿った変更契約を締結しなければならないのに、誤って、1m当たりの施工単価が塗膜防水工法より高額なエポキシ樹脂工法のまま設計数量を計255.6mに変更して変更契約を締結していた。
したがって、ひび割れ部の改修方法について、エポキシ樹脂工法から実際の施工方法である塗膜防水工法へ変更したとして、工事費を修正計算すると28,479,843円(交付対象事業費24,507,560円)となり、前記の工事費33,312,300円(交付対象事業費28,666,000円)はこれに比べて4,832,457円(交付対象事業費4,158,440円)過大となっており、これに係る交付金相当額2,079,220円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において、改修方法の変更を適切に反映して変更契約を締結すべきであったのに、その認識が欠けていたことなどによると認められる。