国土交通省は、国が維持、修繕及び災害復旧その他の管理を行う一般国道の橋りょう、トンネル等の施設(以下、これらの施設を合わせて「道路施設」という。)に関する情報の一元化及び共有化を図ることなどにより、災害時等において迅速かつ的確な対応ができるように道路管理データベースシステム(以下「道路管理DBS」という。)を地方整備局、北海道開発局及び沖縄総合事務局(以下、これらを合わせて「地方整備局等」という。)のほか、地方整備局等管内の国道事務所、河川国道事務所、技術事務所等(以下、これらを合わせて「国道事務所等」という。)に導入している。そして、国土交通省は、道路管理DBSに、新設、改良等を行った道路施設の名称、所在地等の文字データや延長等の数値データからなる諸元、図面等の道路施設基本データ(以下「基本データ」という。)を登録するなどの業務を委託している。しかし、災害時等において迅速かつ的確な対応を行うために重要となる道路管理DBSの機能を活用するのに必要な供用中の道路施設に係る基本データが多数登録されておらず、その状態が計画的に解消されていない事態が見受けられた。
したがって、国土交通省において、地方整備局等及び国道事務所等に対して、道路管理DBSの機能を活用して災害時等において迅速かつ的確な対応を行うためには最新の道路施設の情報が登録されていることが重要であることについて周知徹底を図るとともに、基本データが登録されていない状態を解消するための計画等を作成させるなどの必要な指導を行うよう、国土交通大臣に対して平成26年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。
本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、26年11月に地方整備局等に対して通達を発して、次のような処置を講じていた。
ア 地方整備局等及び国道事務所等に対して、道路管理DBSの機能を活用して災害時等において迅速かつ的確な対応を行うために、道路管理DBSに最新の道路施設の情報が登録されていることが重要であることについて周知徹底を図った。
イ 地方整備局等及び国道事務所等に対して、基本データが登録されていない状態を解消するための指導を行い、道路管理DBSに未登録の基本データを登録するための計画を作成させた。