ページトップ
  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 環境省|
  • 不当事項|
  • 補助金
  • (3)補助金の交付額の算定が適切でなかったもの

交付の対象とならない機器等に係る費用を計上していたため、交付金が過大に交付されていたもの[大阪府](386)


(1件 不当と認める国庫補助金 6,870,000円)

  部局等 補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度 事業費
(国庫補助対象事業費)
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費)
不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(386) 大阪府 堺市 公害健康被害補償給付支給事務 23~25 176,817 (176,817) 88,408 13,736
(13,736)
6,870

この交付金事業は、堺市が、公害健康被害の補償等に関する法律(昭和48年法律第111号)等に基づき、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる著しい大気の汚染等による健康被害に係る損害を填補するための補償等を行う事務を、公害健康被害補償給付支給事務費交付金(以下「交付金」という。)の交付を受けて実施したものである。

公害健康被害補償給付支給事務費交付金交付要綱(昭和54年7月環境事務次官通知。以下「要綱」という。)によれば、交付金の交付額は、要綱に定められた種目ごとの基準額と同種目の対象経費の実支出額とを比較していずれか少ない方の額を選定するなどして得た額を合計して交付対象事業費を算定して、これに2分の1を乗ずるなどして得た額とすることとされている。

同市は、本件交付金事業の交付対象事業費の算定に当たり、各種目のうち補償給付等事務費については、同市が運用している公害補償システム、食品衛生システム、環境衛生システム等を構成するパーソナルコンピュータ22台、プリンタ8台及びサーバ3台の機器等(以下、これらの機器等を合わせて「システム機器等」という。)の全体に対して、公害補償システムの運用のために使用している機器等の使用割合が90%であるとして、各年度のシステム機器等に係るリース料に0.9を乗ずるなどして実支出額を算定していた。そして、平成23年度から25年度までの間において、上記の算定方法により算定するなどした補償給付等事務費の実支出額と基準額とを比較して、各年度とも実支出額の方が少なかったことから、これらの実支出額と、他の種目において選定するなどして得た額を合計して交付対象事業費を計176,817,374円と算定していた。

しかし、公害補償システムの運用のために使用している機器等は、実際にはパーソナルコンピュータ22台のうち6台、プリンタ8台のうち1台、サーバ3台のうち2台(1台は他のシステムと共同で使用)等となっており、これを基にシステム機器等の全体に占める公害補償システムに係る機器等の使用割合を算出すると40.2%となり、同市が補償給付等事務費の実支出額の算定に用いた使用割合の90%を大幅に下回っていた。

したがって、公害補償システムの運用のために実際に使用している台数を基にするなどして算出される使用割合により適正な交付対象事業費を算出すると計163,081,306円となり、前記の交付対象事業費計176,817,374円との差額13,736,068円が過大になっており、これに係る交付金相当額6,870,000円が過大に交付されていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同市において、交付の対象となる経費の範囲についての確認が十分でなかったことなどによると認められる。