(平成24年度決算検査報告参照)
(平成25年度決算検査報告参照)
防衛省は、米国に派遣した職員(以下「派遣職員」という。)を資金前渡官吏として任命し、前渡資金を交付して、公務に要する経費の支払を行わせている。また、派遣職員には、渡航費及び滞在費として、旅費が支給されるなどしている。しかし、資金前渡官吏が前渡資金に係る会計事務を適正に行っていなかったり、派遣職員が国家公務員等の旅費に関する法律(昭和25年法律第114号)に基づく旅行命令の変更の申請を行っていなかったり、これらに関する会計監査が十分機能していなかったりしている事態、公務を行うための現地事務所(以下「事務所」という。)の借上費用の低減等を図るための検討が行われていない事態が見受けられた。
したがって、防衛省において、資金前渡官吏の会計事務及び派遣職員の旅行について十分にその実態を把握したり、内部監査の強化等の方策を策定し実施することとするなどして体制の整備を図ったり、指導等を十分に行うなどして会計事務職員としての資質を十分に確保したりするとともに、事務所の借り上げの実態等に係る情報を一括して管理したり、事務所の集約化、統合化、借上費用の低減等を図るための検討を行い必要な見直しを行ったりするよう、防衛大臣に対して平成25年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求め、及び同法第36条の規定により改善の処置を要求した。
本院は、防衛省内部部局等において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、防衛省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。
ア 各派遣機関から任命された資金前渡官吏の会計事務及び派遣職員の旅行について調査を行い実態を把握するとともに、26年4月に通達を発して内部監査の強化を図ったり、指導用のマニュアルを策定したりするなどした。
また、同年5月に通知を発して、資金前渡官吏等に対して上記のマニュアルにより指導等を行うなどした。
イ 事務所の借り上げの実態や派遣職員の派遣先における公務の遂行等に係る情報を一括して管理することとした。
そして、内部部局及び装備施設本部は、バージニア州アーリントンの同一の建物内にそれぞれ借り上げていた2事務所を集約することとして、借上費用の低減を図っていた。
また、27年6月に事務連絡を発して、各派遣機関等において、事務所の契約更新時期に、事務所の集約化、統合化、借上費用の低減等を図るための検討を行うこととし、今後も必要に応じて事務所の設置場所を見直すこととした。