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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第35 独立行政法人国際協力機構|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

(1)研修宿泊施設の管理運営委託契約により発生した収入超過額について、確実に運営費に充てることとするよう改善させたもの


科目
一般勘定
部局等
独立行政法人国際協力機構(平成15年9月30日以前は国際協力事業団)中国国際センター
契約の概要
中国国際センターの管理運営業務に係る委託契約
契約の相手方
財団法人ひろしま国際センター(平成25年4月1日以降は公益財団法人ひろしま国際センター)
契約
平成9年4月 随意契約
受託先の特定資産である財政調整積立金として保有されたままとなっているなどしていた額
2404万円(平成27年2月末現在)

1 中国国際センターの管理運営業務の概要

(1)中国国際センターの概要

独立行政法人国際協力機構(平成15年9月30日以前は国際協力事業団。以下「機構」という。)中国国際センター(以下「中国センター」という。)は、9年に、ひろしま国際プラザの一部として開設され、研修宿泊施設として機構の研修員受入事業、市民参加協力事業等(以下「研修員受入事業等」という。)の実施に使用されている。ひろしま国際プラザは、中国センターと広島県立広島国際協力センター(以下「県立センター」という。)との複合施設であり、研修施設、食堂、宿泊施設、体育館等から構成されており、当該施設は、機構専有部分、広島県専有部分及び機構と広島県との共用部分(以下「共用部分」という。)に区分されている。

機構は、9年度に、機構専有部分及び共用部分のうち機構の持分に係る各施設の維持管理業務、宿泊施設のフロント業務等(以下、これらの業務を「管理運営業務」という。)を委託する契約(以下「管理運営委託契約」という。)を財団法人ひろしま国際センター(25年4月1日以降は公益財団法人ひろしま国際センター。以下「財団」という。)と締結していて、これを23年度まで毎年度更新していた。

(2)管理運営委託契約の内容

機構は、財団と締結した管理運営委託契約において、管理運営業務に関して、次のように定めていた。

ア 機構は、機構が実施する研修員受入事業等の実施に伴う宿泊施設や研修施設の利用料を財団に支払う。

イ 財団は、機構の研修員受入事業等以外に係る宿泊施設や研修施設の利用料を利用者から徴収する。

ウ 財団は、ア及びイの利用料を管理運営業務に要する費用(以下「運営費」という。)に充てる。

エ 財団は、各年度の契約期間終了後、管理運営業務に係る収支実績を記載した報告書(以下「収支実績報告書」という。)を機構に提出する。

なお、機構は、24年度の管理運営業務に係る委託契約の内容について、23年度までの管理運営委託契約で定めていた受託者が受け入れた利用料をもって運営費に充てる方式から、管理運営業務に要した実費を委託費として受託者に支払う方式に変更していて、25年度から27年度までの間についても同様の内容で委託契約を締結していた。また、財団は、26年度から30年度までの間、広島県から県立センターの指定管理者としての指定を受けていることから、引き続き30年度までの間、機構は、複合施設として一体の建物を効率的に管理するために、財団と管理運営業務に係る委託契約を締結することになっている。

2 検査の結果

(検査の観点、着眼点、対象及び方法)

本院は、経済性等の観点から、機構が支払った利用料を含む財団が受け入れた利用料が、運営費に適切に充てられているかなどに着眼して、機構本部及び中国センターにおいて、9年度から26年度までの管理運営業務に係る委託契約を対象として、契約書、収支実績報告書等の関係書類により会計実地検査を行うとともに、機構を通じて関係書類を入手するなどして管理運営業務に係る財団の経理の状況を調査した。

(検査の結果)

検査したところ、次のような事態が見受けられた。

収支実績報告書によると、9年度から23年度までの間に、財団が受け入れた利用料及びその利息から成る収入は、累計10億3043万余円となっており、同期間の運営費の累計9億8442万余円を上回っていて、収入が支出を上回る額(以下「収入超過額」という。)は累計4601万余円となっていた。

この収入超過額の取扱いについて確認したところ、その累計4601万余円のうち累計4219万余円については、財団が14年3月に定めた財団法人ひろしま国際センター研修部特別会計財政調整積立金設置要綱(以下「積立金設置要綱」という。)に基づいて、同月以降、財団の特定資産である財政調整積立金に繰り入れられ、運営費に充てられるなどしていた累計2196万余円を除く2022万余円が、27年2月末時点で財政調整積立金の残額(以下「財政調整積立金残額」という。)として保有されていた。そして、財政調整積立金は、積立金設置要綱によれば、収入が支出を下回る額が発生した場合の補填に充てられるほか、ひろしま国際プラザの施設全体の整備経費に充てられることとされていて、運営費に限定して使用されることとなっていなかった。そのため、上記の財政調整積立金残額2022万余円については、今後も継続して必要となる運営費に充てられる確約がないまま財団の特定資産として保有されていた。

また、収入超過額累計4601万余円のうち、財政調整積立金に繰り入れられた4219万余円を除いた残額381万余円については、財政調整積立金に繰り入れられておらず、財団の収入として受け入れられたままとなっていた(以下、上記の残額を「財団受入額」という。)。

以上のように、管理運営委託契約に基づき運営費に充てることとなっている利用料及びその利息に係る収入超過額累計のうち、財政調整積立金残額2022万余円及び財団受入額381万余円の計2404万余円について、財団の特定資産として保有されていたり、財団の収入として受け入れられたままとなっていたりしているのに、機構がこれら収入超過額を運営費に充てるための措置を執っていなかった事態は適切ではなく、改善の必要があると認められた。

(発生原因)

このような事態が生じていたのは、機構において、収入超過額が発生した場合に、これを運営費に充てる必要があることを管理運営委託契約で明示していなかったこと、管理運営委託契約の内容を変更する際に、財団が保有するなどしていた収入超過額の取扱いについての検討が十分でなかったことなどによると認められた。

3 当局が講じた改善の処置

上記についての本院の指摘に基づき、機構は、27年7月に、財団との間で、財団が指定管理者としての指定を受けている30年度末までの間に、財団が財政調整積立金残額及び財団受入額の全額を管理運営委託契約で定める運営費に確実に充てることを確認する文書を取り交わす処置を講じた。