1件 不当と認める国庫補助金 5,000,000円
地域公共ネットワーク等強じん化事業費補助金は、地域における情報通信基盤の強じん化を図るための事業を行う事業主体に対して、事業の実施に要する経費の一部について、国が補助するものである。そして、その補助対象経費は、監視制御・測定装置等の施設・設備の設置等に要する経費となっている。
本院が1市、4町及び20第三セクターにおいて会計実地検査を行ったところ、1第三セクターにおいて次のとおり適切でない事態が見受けられた。
部局等 | 補助事業者 (事業主体) |
補助事業 | 年度 | 補助対象事業費 | 左に対する国庫補助金交付額 | 不当と認める補助対象事業費 | 不当と認める国庫補助金相当額 | 摘要 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(13) | 総務本省 | 中讃ケーブルビジョン株式会社 | 地域ケーブルテレビネットワーク整備 | 25 | 117,682 | 39,227 | 15,000 | 5,000 | 補助の対象外 |
この補助事業は、事業主体が、災害発生時に備えた放送・通信ネットワークの監視機能の強化、放送設備における主要機器の二重化、電源設備の増強等を行ったものである。
そして、事業主体は、放送・通信設備から有線テレビジョン放送サービス等の加入者の住宅内までの放送・通信ネットワークの監視を行うことが可能となる機能を有する端末装置1,500台を一部の加入者の住宅内に設置したとして、端末装置1,500台の購入に要した経費を補助対象事業費に含め、補助事業が平成26年1月31日に完了したとする実績報告書を提出していた。
しかし、事業主体は、本件補助事業の完了日までに、端末装置を1台も加入者の住宅内に設置していなかったため、放送・通信ネットワークを末端まで監視することができない状態となっていたのに、本件補助事業が完了したとして端末装置1,500台の購入に係る経費を補助対象事業費に含めていた。
したがって、端末装置1,500台の購入に要した経費15,000,000円は、補助対象事業費に含めることが認められない経費であり補助の対象とはならず、これに係る国庫補助金相当額5,000,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、事業主体において本件補助事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、総務本省において本件補助事業の審査及び確認並びに事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。