1件 不当と認める国庫補助金 1,358,606円
文化芸術振興費補助金(地域発・文化芸術創造発信イニシアチブ)は、文化芸術活動を活発化させ、地域文化の再生やコミュニティの再構築、ひいては地域の活性化を促すことを目的として、国が地方公共団体の企画する優れた文化芸術の創造発信事業に対して補助するものである。
文化芸術振興費補助金(地域発・文化芸術創造発信イニシアチブ)交付要綱(平成24年文化庁長官決定)等によれば、この補助金の交付額は、補助金の交付の対象となる音楽、演劇、舞踊等を中心とした地域振興のための事業を実施する上で必要な出演費、舞台費、委託費等のうち文化庁長官が認める経費(以下「補助対象経費」という。)の2分の1以内の額とすることとされている。そして、飲食に係る経費等は、補助対象とならない経費とすることとされている。また、平成26年度の補助金交付の対象となる事業期間(以下「補助事業期間」という。)は、26年4月1日から27年3月31日までの間とすることとされている。
本院が、8府県及び11市町において会計実地検査を行ったところ、1市において次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。
部局等 | 補助事業者 (事業主体) |
補助事業 | 年度 | 補助対象経費 | 左に対する国庫補助金交付額 | 不当と認める補助対象経費 | 不当と認める国庫補助金 | 摘要 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(29) | 文化庁 | 横浜市 | 東アジア文化都市 2014横浜 |
26 | 310,632 | 155,316 | 2,717 | 1,358 | 補助対象とならない食事代及び補助事業期間の前年度に実施した業務に係る経費を補助対象経費に含めていたもの |
横浜市は、平成26年度に、東アジアの多様な文化の国際発信力の強化を図ることなどを目的とし、様々な文化芸術イベント等を実施する「東アジア文化都市2014横浜」事業に関連する経費310,632,994円を補助対象経費として、補助対象経費の2分の1に相当する額の国庫補助金155,316,497円の交付を受けていた。
しかし、同市は、補助対象とならない文化芸術イベント参加者に対する食事代1,165,212円及び補助事業期間の前年度に実施した業務に係る経費1,552,000円、計2,717,212円を補助対象経費に含めていた。
したがって、上記の補助対象とならない経費を除いて適正な補助対象経費を算定すると307,915,782円となり、これに対する国庫補助金の額は153,957,891円となることから、前記の国庫補助金交付額155,316,497円との差額1,358,606円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において補助対象経費の範囲についての確認が十分でなかったこと、文化庁において実績報告書等の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。