1件 不当と認める国庫補助金 4,998,000円
私立学校施設整備費補助金(私立幼稚園施設整備費)は、幼稚園教育の振興に資することを目的として、幼稚園の園舎の耐震補強工事等を行う学校法人等に対して、耐震補強工事等に要する経費の一部を国が補助するものである。
この補助金の交付額は、私立学校施設整備費補助金(私立幼稚園施設整備費)交付要綱(平成11年文部大臣裁定)等によれば、園舎の耐震補強工事等に係る経費を補助対象経費として、これに補助率(園舎の耐震性能に応じて2分の1以内又は3分の1以内)を乗じて算定することなどとされている。
そして、前記のとおり、この補助金は、幼稚園教育の振興に資することを目的として園舎の耐震補強工事等を行う学校法人等に対して交付されるものであることから、園舎以外の耐震補強工事等に係る経費は補助対象外となる。
本院が、1府5県の12学校法人において会計実地検査を行ったところ、1学校法人において次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。
部局等 | 補助事業者 (事業主体) |
補助事業 | 年度 | 補助対象経費 | 左に対する国庫補助金交付額 | 不当と認める補助対象経費 | 不当と認める国庫補助金 | 摘要 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(43) | 三重県 | 学校法人大川学園 | 大川学園舎耐震補強工事 | 25 | 72,471 | 36,235 | 9,996 | 4,998 | 補助の対象とならない面積に係る工事費を補助対象経費に含めていたもの (大川幼稚園) |
学校法人大川学園は、大川幼稚園が所在する建物において、幼稚園のほか、調理専門学校、介護福祉専門学校、進学塾等の他の事業も実施しており、平成25年度に実施した建物の耐震補強工事において、幼稚園の園舎の耐震補強工事に係る経費を対象として、補助対象経費72,471,000円に補助率2分の1を乗ずるなどして国庫補助金36,235,000円の交付を受けていた。
しかし、同法人は、他の事業で使用する部屋等の面積の一部を園舎の面積に含めたり、他の事業と共同で使用するなどしている部屋等の面積を適切に案分することなく園舎の面積としたりして補助対象経費を算定していた。
したがって、適正な面積に係る工事費により算定した補助対象経費62,475,000円に対する国庫補助金は31,237,000円となり、国庫補助金4,998,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同法人において補助対象経費の算定方法についての理解が十分でなかったこと、三重県において実績報告書等に対する審査が十分でなかったことなどによると認められる。