(3件 不当と認める国庫補助金 15,109,902円)
部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(235) | 東北農政局 | 秋田県にかほ市 (事業主体) |
― | 農業基盤整備促進 | 25、26 | 22,095 | 22,095 | 3,482 | 3,482 |
(236) | 北陸農政局 | 常西用水土地改良区 (事業主体) |
― | 農業基盤整備促進等2事業 | 24~26 | 28,587 | 28,425 | 5,712 | 5,712 |
(237) | 九州農政局 |
三根土地改良区 (事業主体) |
― | 農業基盤整備促進 | 26 | 49,050 | 49,050 | 5,914 | 5,914 |
(235)―(237)の計 | 99,732 | 99,570 | 15,109 | 15,109 |
これらの補助事業は、3事業主体が、ほ場内の地下水や地表残留水等を排除するために、吸水管や疎水材(注)等で構成される暗渠排水施設(以下、この施設を「暗渠排水」という。)の新設を実施したものである。暗渠(きょ)排水は、ほ場内に吸水管を埋設するなどして、ほ場内の地下水や地表残留水等を吸水管に導き入れて排水路まで自然に流下させるものである。
農業基盤整備促進事業実施要領(平成25年24農振第2090号農林水産省農村振興局長通知。以下「要領」という。)等によれば、助成の対象となる経費は、暗渠排水の新設に必要となる経費とされていて、その助成額は、施工対象の耕地面積(以下「受益面積」という。)に助成単価を乗じた額とされ、吸水管の間隔が10m以下の場合の助成単価は、10a当たり15万円とされている。また、吸水管の間隔が10m以上となる場合は、10mを吸水管の間隔で除した割合を乗ずることにより、受益面積を割り引いて助成額を算定することとされている。
しかし、3事業主体において、本件補助事業で新設した吸水管の間隔が10m以上となっていたほ場に係る助成額について、受益面積を割り引いて算定していなかったり、受益地とならないほ場の面積を受益面積に含めて助成額を算定していたりしているなどの事態が見受けられた。
したがって、本件補助事業について、受益面積を割り引いたり、補助の対象とならない面積を除いたりするなどして適正な国庫補助金額を算定すると、計84,460,098円となり、国庫補助金交付額計99,570,000円との差額15,109,902円が過大に交付されていて不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、3事業主体において要領等の理解が十分でなかったこと、3農政局において本件補助事業に係る審査及び確認並びに3事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。
<事例>
常西用水土地改良区(富山県富山市所在)は、平成24年度から26年度までの間に、受益面積計1,905aについて暗渠排水を新設したとして、国庫補助金計28,425,000円の交付を受けていた。
しかし、同土地改良区は、受益面積としていた計1,905aのうち計578aについて、新設した吸水管の間隔をほ場の現状等に合わせるために10m以上(10.7m~85.0m)として施工していたことから、10mを吸水管の間隔で除した割合(0.12~0.93)を乗ずることにより受益面積を割り引くべきであったのに、割り引くことなく、そのままこれに助成単価を乗じて助成額を算定していた。また、同土地改良区は、受益面積としていた計1,905aのうち計59.1aは受益地とならないのに、これを受益面積に含めていた。
したがって、本件補助事業について、受益面積を割り引いたり、補助の対象とならない面積を除いたりするなどして適正な国庫補助金額を算定すると、計22,712,593円となり、国庫補助金交付額計28,425,000円との差額5,712,407円が過大に交付されていた。