(1件 不当と認める国庫補助金 2,100,839円)
部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(246) | 東北農政局 | 福島県 | 福島市 (事業主体) |
経営体育成支援 | 27 | 56,722 | 28,361 | 4,201 | 2,100 |
この補助事業は、福島市が、平成26年2月の大雪により被害を受けた農産物の生産に必要な大型鉄骨ハウス等の再建等を行った法人(以下「助成対象者」という。)に対し、当該再建等に係る経費について助成を行ったものである。
そして、同市は、助成対象者が消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)を含めて事業費56,722,672円で実施した上記の再建等に対して、助成金51,049,336円(国庫補助金交付額28,361,336円)を交付したとして、福島県に対して27年11月に実績報告書を提出し、これにより補助対象事業費の精算を受けていた。
消費税は、事業者が課税対象となる取引を行った場合に納税義務が生ずるが、生産及び流通の各段階で重ねて課税されないように、確定申告において、課税売上高に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額を控除(以下、この控除を「仕入税額控除」という。)する仕組みが採られている。
そして、補助事業に係る助成対象者が助成対象の施設等を取得することも課税仕入れに該当して、上記の仕組みにより確定申告の際に助成対象事業で取得した施設等に係る消費税額を仕入税額控除した場合には、補助事業に係る助成対象者は当該施設等に係る消費税額を実質的に負担していないことになる。
農業経営対策事業費補助金等交付要綱(平成12年12構改B第350号農林水産事務次官依命通知)等によれば、補助事業の事業主体は、実績報告書を提出するに当たって、補助金に係る仕入税額控除に係る消費税額が明らかになった場合には、これを補助金額から減額して報告しなければならないこととされている。そして、実際に消費税の確定申告を行い、本件補助事業に係る消費税額を仕入税額控除するのは助成対象者であることから、事業主体である同市は、実績報告書を提出するに当たり、助成対象者が仕入税額控除した消費税額に係る補助金の額について確認する必要がある。
しかし、同市は、助成対象者が27年8月に消費税の確定申告を行い、本件補助事業に係る消費税額4,201,679円を仕入税額控除していたのに、この消費税額に係る補助金額2,100,839円について、実績報告書の提出に当たり確認しておらず、減額して報告していなかったため、同額が過大に精算されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において助成対象者における仕入税額控除の対象となる消費税額に係る補助金の取扱いに対する理解が十分でなかったこと並びに本件補助事業の審査及び確認が十分でなかったこと、同県において実績報告書の審査及び確認並びに同市に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。