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  • 平成27年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • (1)補助金により造成した基金の使用が適切でなかったもの

補助金により造成した基金を用いて実施した事業が助成事業の対象とならないもの[資源エネルギー庁](252)


(1件 不当と認める国庫補助金 2,473,333円)

  部局等 補助事業者
(所在地)
間接補助事業者
(所在地)
補助事業 年度 事業費
(補助対象事業費)
左に対する国庫補助金交付額 不当と認める補助対象事業費 不当と認める国庫補助金相当額
            千円 千円 千円 千円
(252) 資源エネルギー庁 一般社団法人全国石油協会
(東京都千代田区)
平和石油株式会社
(北海道函館市)
〈事業主体〉
石油基地等産業保安強化 25 4,027 
(3,710)
2,473 3,710 2,473

この補助事業は、石油製品の安定的な供給の確保を図ることなどを目的として、平成24年度に、一般社団法人全国石油協会(25年3月31日以前は社団法人全国石油協会。以下「基金設置法人」という。)が、資源エネルギー庁から石油基地等産業保安強化事業費補助金(災害時等石油製品供給・利用インフラ等整備事業に係るもの)の交付を受けて、環境・安全等対策基金(災害時等石油製品供給・利用インフラ等整備事業)(以下「基金」という。)を造成したものである。基金設置法人は、「石油基地等産業保安強化事業費補助金(災害時等石油製品供給・利用インフラ等整備事業に係るもの)交付要綱」(20130308財資第3号)等に基づき、新たに灯油配送用タンクローリー(以下「ローリー」という。)を導入することにより、灯油配送量を拡大して豪雪地帯及び石油の供給不安地域への灯油の配送を効率的に行う揮発油販売業者等に対して、ローリーの導入に要する経費の一部を対象として、基金を取り崩して助成金を交付する事業(以下「助成事業」という。)を実施している。そして、同要綱等によれば、助成金の交付申請時点で使用しているローリーを手放してより積載量の大きいローリーを新たに導入するか、又は、ローリーを増車することが助成金の交付の要件とされている。

事業主体は、25年12月に、新たに積載量3.6kLのローリーを4,027,390円(助成対象事業費3,710,000円)で導入したとして、基金設置法人に実績報告書を提出して、助成金2,473,333円の交付を受けていた。

しかし、事業主体は、25年4月の助成金の交付申請時点で使用していた積載量4.0kLのローリーを同年10月に第三者に譲渡して、上記の積載量3.6kLのローリーを導入していた。そして、これ以外にローリーを導入していなかったことから、申請時点で使用しているローリーを手放して新たに積載量の大きいローリーを導入しておらず、また、ローリーを増車していなかった。

したがって、前記ローリーの導入は助成事業の対象とは認められず、取り崩された基金2,473,333円(国庫補助金相当額同額)の使用が適切ではなく、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、事業主体において助成事業に対する理解が十分でなかったこと、基金設置法人において事業主体に対する指導、審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。