(1件 不当と認める国庫補助金 1,158,750円)
部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(280) | 熊本県 | 人吉市 | 社会資本整備総合交付金 (道路) |
25 | 59,000 (59,000) |
35,350 | 1,934 (1,934) |
1,158 |
この交付金事業は、人吉市が、人吉市東大塚地区において、市道大塚桑木津留線の拡幅等を行うために、軽量盛土工、落石対策工、舗装工、車両用防護柵工等を実施したものである。
このうち軽量盛土工は、道路を拡幅して道路幅員(計画幅員4m)を確保するために、道路の谷側に盛土材として、軽量盛土用大型発泡スチロールブロック(天端位置における設置幅2.7m~3.5m、延長24.9m。以下「EPSブロック」という。)229.3m3を設置等するものである。
同市は、本件工事の設計に当たり、落石対策工として、重力式擁壁と金網等とを組み合わせた落石防護柵(延長30m)を道路の山側に設置するとともに、道路の幅員を確保するために必要となる谷側の盛土幅(以下「必要盛土幅」という。)に基づくなどしてEPSブロックの設置幅を算定していた。その後、同市は、落石対策工を落石防護柵からポケット式落石防護網(249m2)に変更するとともに、道路及び車両用防護柵の位置を山側に0.6mから1.1m移動するなどの変更を行い、これにより施工していた(参考図参照)。
しかし、上記の変更により必要盛土幅は狭くなることから、変更後の必要盛土幅に基づくなどして改めてEPSブロックの設置幅を算定すべきであったのに、同市は、この算定を行っていなかった。
そこで、変更後の必要盛土幅に基づくなどして、改めてEPSブロックの設置幅を算定すると、EPSブロックの天端位置における設置幅は設計より0.06mから0.77m狭くなること(参考図参照)から、EPSブロックの設置量は174.8m3となり、前記の設置量229.3m3はこれに比べて54.5m3過大となっていた。
したがって、上記により本件工事費を修正計算すると57,066,450円となり、本件工事費59,000,829円はこれに比べて1,934,000円過大となっていて、これに係る交付金相当額1,158,750円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において、軽量盛土工について経済的な設計を行うことの検討が十分でなかったことなどによると認められる。
(参考図)
軽量盛土工の概念図