(1件 不当と認める国庫補助金 40,951,500円)
部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(301) | 高知県 | 香南市 | 防災・安全交付金 (都市防災総合推進) |
25~27 | 1,035,228 (1,006,704) |
503,352 | 81,903 (81,903) |
40,951 |
この交付金事業は、香南市が、都市防災総合推進事業の一環として、防災行政無線の設備を設置し、防災情報通信ネットワークを整備する工事を実施したものである。
同市は、地震防災対策として今後5年間で緊急に整備すべき事業に関する計画である「地震に強い都市づくり推進五箇年計画」の一部として防災情報通信ネットワークに係る整備計画(以下「整備計画」という。)を定めており、整備計画に基づき、本件工事で、南海地震が発生したときに市民に迅速かつ正確な情報を伝達等するための防災行政無線の設備として、市内の各地で拡声放送を行う子局に対してデータを送信等する親局を、災害対策本部が置かれる市庁舎に設置するなどしていた。
本件交付金事業は、「地震に強い都市づくり推進五箇年計画」に基づくものであり、設置する防災行政無線の設備は、地震発生時における迅速な避難等のために必要な情報を伝達するものであることから、上記親局の設備は、地震発生時においても破損等することなく有効に機能するよう耐震性能を有する建物に設置する必要がある。
しかし、同市が整備計画において親局の設備を設置することとした市庁舎は、同市が平成24年に「既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・同解説」(財団法人日本建築防災協会編)等に基づき行った耐震診断の結果によれば、建物の耐震性能を数値化した構造耐震指標が災害対策本部としての用途を考慮した補正係数を用いるなどして同市の設定した目標値0.9に対して0.43となっていて、地震時における耐震性が確保されていない状況となっていた。
したがって、本件工事で設置した親局の設備(工事費相当額81,903,922円)は、整備計画が適切でなかったため、耐震性が確保されていない建物に設置されていることから、地震発生時に防災行政無線として有効に機能しない状態になっており、これに係る交付金相当額40,951,500円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において、防災行政無線の設備である親局の設置に当たり、その設置場所の耐震性の確保の必要性についての理解が十分でなかったことなどによると認められる。