(1件 不当と認める国庫補助金 13,631,220円)
部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(302) | 福井県 | 福井市 | 防災・安全交付金(下水道) | 26、27 | 28,850 (27,262) |
13,631 | 28,850 (27,262) |
13,631 |
この交付金事業は、福井市が、下水道事業の一環として、市道中央3―167号線の車道下に埋設された下水道管(昭和43年供用開始の鉄筋コンクリート管。内径700mm、延長102.5m。以下「既設管」という。)の老朽化に伴い、既設管を耐久性及び耐震性に優れている強化プラスチック複合管(内径700mm、延長104.4m。以下「新設管」という。)に更新する工事を実施したものである。
同市は、本件工事を社会資本整備総合交付金交付要綱(平成22年国官会第2317号)、「社会資本整備総合交付金交付要綱(下水道事業)の運用について」(平成26年国水下企第107号、国水下事第82号、国水下流第41号。以下、これらを合わせて「要綱」という。)等において定められている下水道長寿命化支援制度により実施している。要綱等によれば、同制度は、管路施設の老朽化に起因した道路陥没が多数発生したことなどから創設されたものであり、下水道施設の健全度に関する点検調査(以下「点検調査」という。)の結果に基づき、計画的な改築等を行うことにより、管路施設の老朽化に起因した道路陥没等の事故や下水機能の停止を未然に防止し、及びライフサイクルコストの最小化を図ることを目的としている。
そして、同市は、点検調査の結果、老朽化により既設管にひび割れ、浸入水等の著しい劣化が見受けられたことなどから、既設管の老朽化に起因した道路陥没等の事故の未然防止を図るなどとして、本件工事を実施することとしていた。
しかし、同市は、本件工事を実施するに当たって、その手順として、既設管に並行して新設管を布設して埋戻しを行い、新設管の埋戻し完了後に、既設管から新設管へ排水の切替えを行うことを計画していたものの、更新の対象である既設管については、撤去やモルタルによる充填等の措置を執ることを計画していなかった。
このため、既設管は、本件工事が実施された後も撤去等の措置が執られないまま車道下に残置されていて、当該市道は、著しく劣化した既設管が埋設されたままの状態となっていた。
したがって、本件工事(工事費28,850,040円)は、計画が適切でなかったため、工事実施後も既設管の老朽化に起因した道路陥没等の事故が生ずるおそれがある状況となっており、これに係る交付金交付額13,631,220円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において、管路施設の老朽化に起因した道路陥没等の事故の未然防止を図ることについての検討が十分でなかったことなどによると認められる。