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  • 平成27年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第13 環境省|
  • 平成26年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(1)防災拠点施設に設置する蓄電池設備の耐震性について


平成26年度決算検査報告参照

1 本院が要求した適宜の処置及び求めた是正改善の処置

環境省は、各道府県等に対して地域環境保全対策費補助金等を交付し、再生可能エネルギー等導入地方公共団体支援基金等(以下「基金」という。)の造成等を行わせている(以下、基金の造成等を行っている道府県等を「事業主体」という。)。事業主体は、災害が発生し、電力会社からの電力供給が遮断された際に、避難所、災害対策本部等の防災拠点となる施設等(以下「防災拠点施設」という。)において必要な機能を確保するなどのために、基金を活用し、防災拠点施設に太陽光発電設備、蓄電池設備等を整備する工事を自ら実施するほか、管内の市町村等が実施する上記の工事に対して、基金を取り崩して事業主体からの補助金として交付している。そして、環境省が事業主体に対して示した通知等によれば、蓄電池設備については床等に固定するなどとされている。また、環境省は、防災拠点施設の耐震性とともに、蓄電池設備についても床等に固定することにより耐震性を確保する必要があるなどとしている。しかし、6事業主体24県市町村等において、耐震設計に関する検討を行っておらず蓄電池設備をアンカーボルト等により固定していなかったり、蓄電池設備をアンカーボルトにより固定しているものの耐震設計計算上の検討を全く又は十分に行っておらずアンカーボルトの選定が適切でなかったりしていて、蓄電池設備の所要の耐震性が確保されておらず、地震等の災害時に、転倒するなどして破損するおそれがある事態が見受けられた。

したがって、環境大臣に対して平成27年10月に、次のとおり是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求めた。

  • ア 事業主体に対して、24県市町村等における蓄電池設備のうち耐震性が確保されていないものについて必要な耐震措置を講じさせること(会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求したもの)
  • イ 蓄電池設備の耐震性を確保するための準拠すべき具体的な指針、耐震設計計算上の留意点等を明示したガイドライン等を整備して、事業主体に対して周知徹底することにより、事業主体から管内の市町村等に対して耐震性を確保するための助言等を適切に行わせること(同法第34条の規定により是正改善の処置を求めたもの)

2 当局が講じた処置

本院は、環境本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、環境省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 27年11月に事業主体に対して通知を発して、24県市町村等における蓄電池設備のうち耐震性が確保されていないものについて、必要な耐震措置を行わせることとし、28年3月までにアンカーボルト等により固定するなどの手直し工事を実施させた。

イ 蓄電池設備の耐震性を確保するための具体的な指針、耐震設計計算上の留意点等を明示したガイドラインを27年11月に策定して、アの通知により、事業主体に対して周知徹底を図るとともに、これにより、事業主体から管内の市町村等に対して耐震性を確保するための助言等を適切に行わせることとした。