ページトップ
  • 平成29年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第1 内閣府(内閣府本府)|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • (1) 補助の対象とならないもの

地方創生推進交付金により実施した事業の交付対象事業費に交付の対象とならない費用を含めていたもの(19)(20)


(2件 不当と認める国庫補助金 36,093,473円)

  部局等 補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(19) 内閣府本府 栃木県 地方創生推進交付金 28 72,287 36,143 62,856 31,428
(20) 栃木県 那須郡那須町 28 10,000 5,000 9,330 4,665
(19)(20)の計 82,287 41,143 72,186 36,093

この交付金事業は、2事業主体が連携して、地域再生法(平成17年法律第24号)、地方創生推進交付金制度要綱(平成28年府地事第16号等。以下「制度要綱」という。)等に基づき、観光地としての訴求力を高めるなどするために、観光情報の発信等を行う「デスティネーションキャンペーン推進事業」及び第2回「山の日」記念全国大会の開催準備等を行う「山の日推進事業」から構成される「とちぎ周遊観光の魅力度アップ事業」(以下「魅力度アップ事業」という。)を実施したものである。

制度要綱等によれば、地方創生推進交付金(以下「交付金」という。)は、地域再生法に定める地域再生計画に記載され、都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略又は市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略に位置付けられた自主的・主体的で先導的な事業の実施に要する費用に充てるために国が交付する交付金であるとされている。そして、地方公共団体が作成する実施計画に基づく事業に要する費用について、当該地方公共団体に対してその一部を国が交付するものなどとされている。

2事業主体は、魅力度アップ事業について、平成28年10月から29年3月までを事業実施期間とする実施計画を内閣府本府に提出した上で、当該実施計画に基づき、事業費計82,287,153円(栃木県72,287,153円、那須町10,000,000円、交付対象事業費同額)で実施したとして、栃木県は内閣府本府に、那須町は同県に実績報告書をそれぞれ提出して、内閣府本府及び同県がこれを確認するなどして、内閣府本府から交付金計41,143,576円(栃木県36,143,576円、那須町5,000,000円)の交付を受けていた。

しかし、魅力度アップ事業のうちの大部分は、実施計画で定めた事業実施期間外である29年4月から30年2月までの間に実施されたものであり、交付金の交付の対象となる実施計画に基づく事業に該当しないものであった。

したがって、魅力度アップ事業のうち事業実施期間中に実施されていなかったものに係る費用計72,186,947円(栃木県62,856,896円、那須町9,330,051円)は交付の対象とは認められず、これに係る交付金相当額計36,093,473円(栃木県31,428,447円、那須町4,665,026円)が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、2事業主体において交付金の制度に対する理解が十分でなかったこと、内閣府本府及び同県において事業に係る交付金の額の確定時の審査が十分でなかったことなどによると認められる。