1件 不当と認める国庫補助金 11,813,000円
疾病予防対策事業費等補助金(特定感染症検査等事業に係る分)(以下「国庫補助金」という。)は、感染症の発生の予防・まん延防止及び治療対策の推進を図ることを目的として、都道府県等が行う特定感染症検査等事業に対し、都道府県等が要する経費の一部について国が補助するものである。特定感染症検査等事業のうちHIV抗体検査及びエイズに関する相談事業(以下「検査相談事業」という。)は、都道府県等に設置された保健所等において、希望者に対してHIV抗体検査及び個別相談を実施するものである。
国庫補助金の交付額は、「感染症予防事業費等国庫負担(補助)金交付要綱」(平成20年厚生労働省発健第1219002号。以下「交付要綱」という。)に基づいて算定することとなっており、検査相談事業については、基準額と対象経費の実支出額とを比較して少ない方の額と、総事業費から寄附金その他の収入額を控除した額とを比較して、少ない方の額に補助率2分の1を乗ずるなどした額とすることとなっている。
上記の基準額は検査・相談事業費、人件費等により算定することとなっており、このうち人件費については、医師、看護師等(以下「医師等」という。)を臨時雇用している場合に限り、当該医師等が検査相談事業に従事した日数に所定の単価を乗じて算定することとなっている。
本院が、12県等において会計実地検査を行ったところ、1県において、次のとおり適正とは認められない事態が見受けられた。
部局等 | 補助事業者 (事業主体) |
年度 | 国庫補助対象事業費 | 左に対する国庫補助金交付額 | 不当と認める国庫補助対象事業費 | 不当と認める国庫補助金交付額 | 摘要 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(122) | 神奈川県 | 神奈川県 | 25~28 | 80,350 | 40,233 | 23,629 | 11,813 | 基準額を過大に算定していたもの |
神奈川県は、平成25年度から28年度までの間の検査相談事業の基準額について、誤って、保健所の常勤職員であって算定の対象とならない医師等に係る分を人件費に含めるなどして過大に算定していた。この結果、国庫補助対象事業費が計23,629,026円過大に算定されており、これに係る国庫補助金計11,813,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同県において交付要綱の理解が十分でなかったこと、厚生労働省において事業実績報告書の審査及び確認並びに同県に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。