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  • 平成29年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第7 厚生労働省|
  • 不当事項|
  • 補助金

(5) 高年齢者就業機会確保事業(シルバー人材センター事業)の実施に当たり、事業の一部を実施していないなどしていたもの[厚生労働本省](167)


1件 不当と認める国庫補助金 2,200,000円

高年齢者就業機会確保事業費等補助金(シルバー人材センター事業分)(以下「補助金」という。)は、定年退職後等の高年齢者に対し、地域に密着した仕事を提供し、高年齢者の生きがいの充実や社会参加の促進を図ることなどを目的として、シルバー人材センター連合(注)(以下「シルバー連合」という。)が行う高年齢者就業機会確保事業(以下「補助事業」という。)の実施に必要な経費の一部を国が補助するものである。

 「高年齢者就業機会確保事業費等補助金(シルバー人材センター事業分)及び雇用開発支援事業費等補助金(シルバー人材センター事業分)交付要綱」(平成13年厚生労働省発職高第170号)等によれば、補助事業は、シルバー連合の運営費に対する補助と、事業費に対する補助に区分されており、このうち事業費に対する補助の種目の一つである地域ニーズ対応事業は、地方公共団体が少子高齢化への対応、子育て支援等の地域ニーズに応じて設定した分野において、シルバー連合が新規事業の立ち上げに必要な取組を実施するものとされている。

また、補助金の交付額は、補助の種目ごとに補助金の対象となる経費(以下「補助対象経費」という。)の実支出額に2分の1を乗じて得た額と所定の基準額とを比較して、少ない方の額の合計額とすることとなっている。

(注)
シルバー人材センター連合  臨時的かつ短期的な就業又はその他の軽易な業務に係る就業を希望する高年齢退職者のために、これらの就業の機会を確保し、及び組織的に提供するなどの業務を行う者として都道府県ごとに設置された一般社団法人又は一般財団法人であり、管内各市町村のシルバー人材センター等を活動拠点として補助事業を実施している。

本院が厚生労働本省(以下「本省」という。)において会計実地検査を行ったところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。

  部局等 補助事業者
(事業主体)
年度 補助対象経費 左に対する国庫補助金交付額 不当と認める補助対象経費 不当と認める国庫補助金交付額 摘要
        千円 千円 千円 千円  
(167) 厚生労働本省 公益社団法人新潟県シルバー人材センター連合会 27 802,700 177,366 4,431 2,200 事業の一部を実施していなかったものなど

シルバー連合である公益社団法人新潟県シルバー人材センター連合会(以下「連合会」という。)は、平成27年度に実施した補助事業について、補助対象経費を802,700,657円であるとして、177,366,000円の補助金の交付を受けていた。

しかし、連合会は、活動拠点である公益社団法人燕市シルバー人材センター(以下「燕センター」という。)において実施したとしていた農業・家庭菜園サポート事業等の地域ニーズ対応事業を、適当な事業実施場所の確保ができなかったなどとして、全く実施していないなどしていた。

したがって、連合会が燕センターにおいて実施したとする地域ニーズ対応事業に係る補助対象経費4,431,196円は補助金の交付の対象とは認められず、これに係る補助金2,200,000円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、連合会において補助事業の適正な実施に対する認識が著しく欠けていたこと、本省において連合会から提出された実績報告書等の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。