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  • 平成29年度|
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  • (1) 工事の設計が適切でなかったもの

法面保護工の設計が適切でなかったもの[沖縄総合事務局](200)


(1件 不当と認める国庫補助金 9,458,007円)

  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等 補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(200) 沖縄総合事務局 沖縄県
(事業主体)
沖縄振興公共投資交付金 28、29 85,675 64,256 12,610 9,458

この交付金事業は、沖縄県が、南城市吉富地区内において、農業用水の確保を目的とした貯水池等の新設に伴い、貯水池の新設予定地の斜面に施工した切土法面(延長54.9m、高さ4.3m~11.7m)の安定性を確保するために法面保護工等を実施したものである。

同県は、法面保護工の設計を「道路土工 切土工・斜面安定工指針」(公益社団法人日本道路協会編。以下「指針」という。)等に基づいて行っており、過年度に実施した法面の土質調査の結果から、別途工事により整形することとしていた切土法面の土質を琉球石灰岩と想定するなどして、プレキャスト枠を設置して、その枠内に中詰材として栗石、粗石等を詰める開放型の法面保護工を施工することとしていた。

その後、同県は、平成28年3月に切土法面の整形を行った際に、法面に土質調査の結果とは異なる風化の進んだ泥岩を確認していたが、当初の設計どおりに施工していた。

しかし、指針等によれば、地山が泥岩等の風化の早い岩で形成される法面に係る法面保護工については、風化の進行を抑えるために密閉型の法面保護工を選定することなどとされていることから、同県は、切土法面における泥岩の風化の進行を抑える密閉型の法面保護工に設計変更するなどの対策を講ずる必要があったのに、これを行っていなかった。

このため、開放型の法面保護工では、表流水の浸透等により法面の風化が急速に進んで崩壊するおそれがあり、現に、切土法面の整形を行ったことで風化の早い泥岩が表層に露出したことに伴い、泥岩の風化が一層進み、中詰材とした栗石等が沈下するなどして法面の一部が崩壊した状況となっていた。

したがって、法面保護工(工事費相当額計12,610,676円)は、設計が適切でなかったため、法面保護工による法面の安定性が確保されていない状況となっており、工事の目的を達しておらず、これに係る交付金相当額9,458,007円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同県において、風化の早い岩で形成される法面に係る法面保護工の設計についての理解が十分でなかったことなどによると認められる。

参考図

法面保護工概念図

法面保護工概念図 画像