(1件 不当と認める国庫補助金 1,298,289円)
部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(205) | 沖縄総合事務局 | 沖縄県 | 国頭郡伊江村 (事業主体) |
沖縄振興公共投資交付金 | 26、27 | 54,594 | 38,215 | 1,854 | 1,298 |
この交付金事業は、伊江村が伊江村伊江地区において、既存の施設である堆肥センター内において木材破砕施設を整備するために舗装工、植栽工等を行ったものである。このうち、植栽工は、堆肥原料に用いる木材を破砕する際に発生する粉じん等が近隣の葉たばこ畑へ飛散することを防止するための防じん対策として、防風施設である防風林を植栽したものである。
「土地改良事業計画指針 防風施設」(農林水産省構造改善局計画部監修。以下「指針」という。)等によれば、防風施設である防風林等は、風によって運搬される粉じん等を捕捉することにより、粉じん等による加害作用を軽減する機能(以下「防じん効果」という。)を持つとされている。同村は、指針等に基づき粉じん等を防止するための植栽工等を施工することとして本件工事の設計を設計コンサルタントに委託し、当初設計において、樹高3.0m及び葉張り0.8m程度のリュウキュウコクタンの成木を高さ1.5mのブロック塀(延長139.2m)に沿って3.0m間隔で1列に41本植栽すれば、木材破砕施設の供用開始後直ちに防じん効果が発揮できるとしていた。その後、同村は、当初設計の樹高等を有するリュウキュウコクタンの成木が一般的に流通していなかったことから、平成27年3月に、樹高2.0m及び葉張り0.5m程度の成木に設計変更を行い、これにより施工していた。
しかし、指針等によれば、植栽木ができるだけ早く枝や葉を広げて互いに接し、諸害に対する抵抗を高めるよう、防風林の植栽間隔は1.0m程度を基準とし、防じんの対象とする作物に応じた高さ(本件の場合は3.0m)を確保することとされているのに、同村は誤って上記のとおり3.0m間隔で樹高2.0mの成木を植栽することとしたため、本件植栽工は植栽間隔が開きすぎていて樹高も不足しており、十分な防じん効果を発揮できないものとなっていた(参考図参照)。
したがって、植栽工等(工事費相当額計1,854,698円)は、設計が適切でなかったため、粉じん等の飛散を防止するという工事の目的を達しておらず、これに係る交付金相当額1,298,289円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同村において、委託した設計業務の成果品に誤りがあるなどしていたのに、これに対する検査が十分でなかったことなどによると認められる。
(参考図)
植栽工の概念図
指針等に基づく設計のイメージ
本件設計のイメージ