(1件 不当と認める国庫補助金 1,459,200円)
部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(210) | 林野庁 | 長野地域協議会 (事業主体) |
― | 森林・山村多面的機能発揮対策交付金 | 26、27 | 2,720 | 2,720 | 1,459 | 1,459 |
この交付金事業は、地域住民が森林所有者等と協力して実施する里山林を始めとする森林の保全管理や山村地域の活性化に資する取組の促進を目的として、林野庁が、同取組に対する支援を実施する地域協議会の一つである長野地域協議会(長野県長野市所在。以下「協議会」という。)に対して森林・山村多面的機能発揮対策交付金(以下「交付金」という。)を交付し、協議会が、同取組を行う組織(以下「活動組織」という。)である長野森林組合(以下「組合」という。)を支援するために交付金を交付するものである。
森林・山村多面的機能発揮対策実施要綱(平成25年25林整森第59号農林水産事務次官依命通知)等によれば、交付金は、活動組織が行う雑草木の刈払い・集積・処理等の活動に対して交付されることとされており、交付金の交付額は、活動の種類ごとに応じて定められた1ha当たりの単価に、活動の対象森林の面積を乗ずるなどして算出することとされている。また、交付金の対象となる森林は、上記の活動を行う時点において森林経営計画が策定されていない森林とするとされている。林野庁は、森林経営計画が策定された森林は、森林所有者等が、効率的に林業経営を行うことを目指すものであるとしている一方で、交付金については、集落周辺の里山林等で、経済的な価値が著しく低い広葉樹や竹が侵入した森林のように計画的かつ一体的な施業が困難な森林において、地域住民等が実施する森林の保全活動等に対して支援するものであるとしている。
協議会は、組合が平成26、27両年度に、上水内郡小川村内の2地区の森林計17.0haにおいて行った雑草木の刈払いなどの活動(事業費計2,720,000円)に対して、林野庁から事業費と同額の交付金の交付を受けて組合に同額を交付していた。
しかし、上記の活動が行われた森林17.0haのうちの計9.12haについては、活動を行う時点において組合が既に森林経営計画を策定していた。
したがって、上記の9.12haにおいて行われた活動は、森林経営計画が策定されている森林で行われたものであって交付金の交付の対象とは認められず、これに係る交付金相当額計1,459,200円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、組合において交付金事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、協議会において実施状況報告書等の確認及び組合に対する指導が十分でなかったこと、林野庁において協議会に対する指導等が十分でなかったことなどによると認められる。