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  • 平成29年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • 第8 農林水産省|
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  • (3) 補助対象事業費を過大に精算していたもの

動物用ワクチン等実用化促進事業の補助対象事業費を過大に精算していたもの[農林水産本省](213)


(1件 不当と認める国庫補助金 1,073,027円)

  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等 補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(213) 農林水産本省 株式会社NAS研究所
(事業主体)
動物用ワクチン等実用化促進 27 13,669 12,000 2,742 1,073

この補助事業は、株式会社NAS研究所(千葉県成田市所在。以下「会社」という。)が、新技術を活用したワクチン開発を実施したものである。

食の安全・消費者の信頼確保対策事業費補助金交付要綱(平成20年19消安第15444号)等によれば、補助事業の実施に要する経費(以下「補助対象事業費」という。)に対して定額の補助金を交付することとされており、本件補助事業においては、ワクチン開発事業費等が補助対象事業費となっている。

会社は、ワクチン開発に係る試験費のほか、試験を実施するなどのために借り上げた成田市に所在する施設の一部に対する賃借料計13,669,820円を補助対象事業費として農林水産本省に実績報告書を提出し、これにより、国庫補助金12,000,000円の交付を受けていた。

しかし、会社は、上記補助対象事業費のうち賃借料の算定に当たり、上記施設の一部を購入するなどして賃借料を支払っていなかった期間があるのに、その期間に係る賃借料相当額を補助対象事業費に含めるなどしていた。

したがって、会社が実際に支払った賃借料等により適正な補助対象事業費を算定すると計10,926,973円となり、前記の国庫補助金12,000,000円との差額1,073,027円が過大に精算されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、会社において補助事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、農林水産本省において実績報告書の審査及び会社に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。