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  • 平成29年度|
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  • 補助金

中小企業組合等共同施設等災害復旧費補助金の交付を受けて実施した事業により取得した設備等を無断で譲渡したり、補助対象事業費に補助の対象とならない経費を含めたりなどしていたもの[東北経済産業局](224)―(227)


 (4件 不当と認める国庫補助金 26,060,694円)

中小企業組合等共同施設等災害復旧費補助金は、東日本大震災に係る被災地域の復旧及び復興を促進することを目的として、中小企業組合等共同施設等災害復旧費補助金(中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業)交付要綱(平成23・06・07財中第1号)等に基づき、経済産業省が都道府県に交付して、同補助金の交付を受けた都道府県が中小企業等グループ又はその構成員に対して、施設及び設備の復旧・整備に要する経費の一部を補助するものである。

上記の交付要綱等によれば、補助の対象となる経費は、中小企業等グループ又はその構成員の施設及び設備であって、東日本大震災により損壊若しくは滅失又は継続して使用することが困難になったもののうち、中小企業等グループが復興事業計画に基づき事業を行うのに不可欠な施設及び設備の復旧・整備に要するものであり、また、平成25年度以降は、補助金の交付決定以降に発注等するものが補助の対象とされている。そして、補助事業を実施する者は、補助事業により取得し又は効用が増加した財産のうち不動産、取得価格が50万円以上の機械等の財産を、都道府県知事の承認を受けないで処分制限期間内に譲渡し又は貸し付けてはならず、都道府県知事の承認を受けて処分制限期間内に有償で譲渡し又は貸し付ける場合においては、譲渡額若しくは貸付額又は当該財産の残存簿価相当額等に補助率を乗ずるなどして得た額を国庫に納付することとされている。また、施設及び設備の復旧に際しては、被災した施設及び設備と同等の水準等のものに建替えなどをした場合の費用を補助の対象とすることとされており、施設の面積の増加は、復旧の範囲を超えることになり、当該増加分については補助の対象とはならないこととされている。そして、福島県は、建替えにより面積が増加した場合、補助対象事業費の算定に当たっては、施設の建替えに係る事業費に、建替え後の延床面積に対する建替え前の延床面積の割合を乗じて面積案分を行うことにしている。

本院が、39事業主体において会計実地検査を行ったところ、4事業主体が実施した補助事業において、補助事業により取得した設備等を上記の承認を受けずに無断で譲渡するなどしていたり、復旧の範囲を超えるなどしていて補助の対象とならない経費を補助対象事業費に含めて補助対象事業費を過大に算定していたりするなどしていたため、これらに係る国庫補助金相当額計26,060,694円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、4事業主体において補助事業により取得し又は効用が増加した財産の処分についての理解が十分でなかったり、補助対象事業費についての理解が十分でなかったりしたこと、2県において補助事業の審査及び確認並びに事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。

以上を事業主体別に示すと次のとおりである。

  部局等 補助事業者
(所在地)
間接補助事業者
(所在地)
補助事業 年度
事業費
(補助対象事業費)
左に対する国庫補助金交付額 不当と認める補助対象事業費 不当と認める国庫補助金相当額
            千円 千円 千円 千円
(224) 東北経済産業局 岩手県 久慈港運株式会社
(岩手県久慈市)
〈事業主体〉
中小企業組合等共同施設等災害復旧 24 93,874
(89,404)
44,702 6,271 3,135

中小企業等グループの構成員である久慈港運株式会社は、東日本大震災により損壊した事務所及び作業所の修繕並びにクレーンの取替えなどの復旧に要したとする事業費93,874,641円(補助対象事業費89,404,420円)に対して国庫補助金44,702,210円の交付を受けており、そのうちクレーンについては平成23年10月に取得していた。

しかし、同会社は、クレーンについて、33年10月までの10年の処分制限期間内であったにもかかわらず、29年5月に、岩手県知事の承認を受けずに無断で、3,703,703円で他の企業へ譲渡していた。

また、同会社は、前記事業費のうち、事務所及び作業所の修繕に係る代金を請負業者に一旦支払った後、請負業者からその一部の返金を受けたり、修繕に係る代金の一部を子会社に負担させたりしていた。

したがって、補助事業により取得したクレーンについて、同会社が同知事の承認を受けずに無断で譲渡した前記クレーンの譲渡額が3,703,703円(国庫補助金相当額1,851,851円)となっており、また、上記の修繕に係る代金について、同会社が実際に負担した額により適正な補助対象事業費を算定すると86,837,000円となり、前記の補助対象事業費89,404,420円との差額2,567,420円(国庫補助金相当額1,283,710円)が過大に精算されており、これらに係る国庫補助金相当額計3,135,561円が不当と認められる。

(225) 東北経済産業局 福島県 株式会社コワタ
(福島県南相馬市)
〈事業主体〉
中小企業組合等共同施設等災害復旧 25~27 88,700
(88,700)
44,350 14,667 7,333

中小企業等グループの構成員である株式会社コワタは、東日本大震災により損壊した事務所等の修繕及び継続して使用することが困難になったバックホウの取替えによる復旧に要したとする事業費88,700,000円(補助対象事業費同額)に対して国庫補助金44,350,000円の交付を受けており、そのうち事務所については平成27年6月に修繕工事を完了していた。

しかし、同会社は、修繕工事により効用が増加した事務所について、51年6月までの24年の処分制限期間内であったにもかかわらず、27年6月から30年2月までの間において、福島県知事の承認を受けずに無断で、計12,484,448円で他の企業等へ貸し付けていた。

また、同会社は、実際には、バックホウの取替えに係る発注、納品及びこれに係る経費4,000,000円の支払を補助金の交付決定より前に行っていて補助の対象とならないにもかかわらず、当該経費を補助対象事業費に含めていた。

したがって、補助事業により効用が増加した事務所について、同会社が同知事の承認を受けずに無断で貸し付けた前記事務所の貸付額計12,484,448円のうち、補助事業に係る分は10,667,388円(国庫補助金相当額5,333,694円)となっており、また、補助対象事業費について、補助の対象とならない上記の経費を除いて適正な補助対象事業費を算定すると84,700,000円となり、前記の補助対象事業費88,700,000円との差額4,000,000円(国庫補助金相当額2,000,000円)が過大となっており、これらに係る国庫補助金相当額計7,333,694円が不当と認められる。

(226) 東北経済産業局 福島県 有限会社ファッション・リナ
(福島県南相馬市)
〈事業主体〉
中小企業組合等共同施設等災害復旧 24~26 106,644
(106,644)
53,162 10,199 4,940

中小企業等グループの構成員である有限会社ファッション・リナは、東日本大震災で損壊した工場等の施設の建替え及び設備の取替えによる復旧に要したとする事業費106,644,296円(補助対象事業費同額)に対して国庫補助金53,162,000円の交付を受けていた。そして、上記施設の復旧については、同一敷地内において建替えを実施したとして、これに係る事業費全額を補助対象事業費としていた。

しかし、建替え前の施設の延床面積は291.1m2であり、建替え後の施設の延床面積は352.7m2と61.6m2増加していて復旧の範囲を超えていたことから、同会社は面積の増加を考慮して補助対象事業費の算定を行うべきであった。

したがって、建替えに係る事業費58,379,296円に、建替え後の延床面積に対する建替え前の延床面積の割合82.5%を乗じて面積案分を行うなどして適正な補助対象事業費を算定すると96,445,254円となり、前記の補助対象事業費106,644,296円との差額10,199,042円が過大となっていて、これに係る国庫補助金相当額4,940,000円が不当と認められる。

(227) 東北経済産業局 福島県 有限会社エンドー
(福島県耶麻郡猪苗代町)
〈事業主体〉
中小企業組合等共同施設等災害復旧 24、25 35,000
(35,000)
17,500 21,302 10,651

中小企業等グループの構成員である有限会社エンドーは、東日本大震災により損壊した商品を陳列するためのオープンケース及びその冷却に必要な冷凍機(以下「オープンケース等」という。)の取替えによる復旧に要したとする事業費35,000,000円(補助対象事業費同額)に対して国庫補助金17,500,000円の交付を受けており、オープンケース等を平成25年6月に取得していた。

しかし、同会社は、オープンケース等について、31年6月までの6年の処分制限期間内であったにもかかわらず、27年4月に、福島県知事の承認を受けずに無断で、計13,500,000円で他の企業へ譲渡していた。

したがって、同会社が同知事の承認を受けずに無断で譲渡したオープンケース等の設備ごとの譲渡額又は譲渡時点における残存簿価相当額の計21,302,882円に係る国庫補助金相当額計10,651,439円が不当と認められる。

(224)―(227)の計 324,218
(319,748)
159,714 52,440 26,060