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  • 平成29年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 国土交通省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • (1) 補助金の交付額の算定が適切でなかったもの

交付額の算定が適切でなかったため、交付金が過大に交付されていたもの[近畿地方整備局](238)


(1件 不当と認める国庫補助金 23,786,583円)

  部局等 補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度 事業費
(国庫補助対象事業費)
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費)
不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(238) 近畿地方整備局 神戸市 防災・安全交付金
(港湾改修)
28、29 174,528
(172,171)
86,085 142,719
(142,719)
23,786

この交付金事業は、神戸市が、国際戦略港湾の神戸港の西神戸地区において、臨港交通施設である苅藻(かるも)橋等の耐震化及び延命化のために、橋りょう耐震補強工、橋りょう延命対策工、橋面舗装改良工等を事業費計174,528,000円(交付対象事業費計172,171,440円)で実施したものである。

社会資本整備総合交付金交付要綱(平成22年国官会第2317号国土交通事務次官通知。以下「交付要綱」という。)によれば、国際戦略港湾における臨港交通施設に係る港湾改修事業の国の負担割合は、原則として、交付対象事業費の10分の5以内とすることとされている。ただし、コンクリート劣化対策等、既存施設の延命化のための改良を行うものについては、交付対象事業費の3分の1以内とすることとされている。

同市は、本件の交付対象事業費の全てについて国の負担割合を10分の5として交付金の額を計86,085,720円と算定し、完了実績報告書を提出するなどして、同額の交付金の交付を受けていた。

しかし、本件事業には、既存施設の延命化のための改良を目的とした表面保護工等の橋りょう延命対策工、橋面舗装改良工等が含まれており、これらに係る交付対象事業費について国の負担割合を10分の5としたのは誤りであって、正しくは3分の1以内であった。

したがって、交付要綱に基づき、橋りょう延命対策工、橋面舗装改良工等に係る交付対象事業費に係る国の負担割合を3分の1として適正な交付金の額を算定すると計62,299,137円となり、前記の交付を受けていた交付金計86,085,720円との差額23,786,583円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同市において、本件交付金事業における国の負担割合についての理解が十分でなかったことなどによると認められる。