(1件 不当と認める国庫補助金 3,073,200円)
部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(239) | 大分県 | 豊後大野市 | 社会資本整備総合交付金 (道路) |
26、27 | 137,779 (137,779) |
89,556 | 4,728 (4,728) |
3,073 |
この交付金事業は、豊後大野市が、豊後大野市大野町大原地区において、市道牛首線を付け替えて幅員7.0mの道路に改良するために、道路予定地の地山の土砂及び軟岩の掘削工等を実施したものである。
同市は、軟岩の掘削工費の算定に当たり、当初設計では、掘削箇所の切取り面が水平又は緩傾斜となっていることから、現場条件が良い場合に適用する工法(以下「オープンカット」という。)によることとして積算していた。そして、請負人は、平成27年2月からオープンカットにより軟岩の掘削を行っていたが、地山の谷側に深い亀裂が広範囲に生じていることが確認され、以後の施工が困難であるなどとして、同年4月に同市に対して工法変更に係る協議の請求等を行った。
そこで、同市は、現場調査を行った結果、オープンカットでは谷側の施工が困難であると判断し、現場条件が悪い場合に適用する工法(以下「片切掘削」という。)が妥当であるとして、請負人に対して、谷側から幅5m分については片切掘削によることとする指示及び図面の変更(以下「指示等」という。)を行った(参考図参照)。そして、同市は、軟岩全土量24,630m3のうち谷側から幅5m分の土量12,210m3の掘削工法をオープンカットから片切掘削へ変更するなどする設計変更を行い、工事費を当初の契約額115,020,000円から137,779,920円へ増額する契約変更を行った。
しかし、上記の12,210m3には、同市が指示等を行った時点で既に掘削が完了していた谷側から幅5m分の軟岩3,400m3が含まれていた。
したがって、12,210m3のうち3,400m3を除いた8,810m3を設計変更の対象土量とするなどして工事費を修正計算すると133,051,904円となることから、前記の工事費137,779,920円はこれに比べて4,728,000円が過大となっており、これに係る交付金相当額3,073,200円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において、設計変更における対象土量に対する確認が十分でなかったことなどによると認められる。
(参考図)
掘削する断面の概念図