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  • 平成29年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 国土交通省|
  • 平成28年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(1) 公営住宅等整備事業等における二重床下地に係る工事費の積算について


平成28年度決算検査報告参照

1 本院が求めた是正改善の処置

国土交通省は、公営住宅等を整備する地方公共団体(以下「事業主体」という。)に対して、社会資本整備総合交付金等を交付している。事業主体は、公営住宅等の建設、改善等における工事費の積算については、材料費と労務費等を合計した施工費等の単価(以下「施工単価」という。)に設計数量を乗ずるなどして予定価格の積算を行っており、積算に用いる施工単価について、原則として、事業主体が市場調査を行うなどして毎年度制定する単価表に記載されていればその単価を、単価表に記載されていないもので物価資料(刊行物である積算参考資料をいう。以下同じ。)に市場価格として記載されている単価(以下「物価資料掲載単価」という。)があればその単価を、単価表にも物価資料にも市場価格が記載されていないものは製造業者等からの見積価格や公表価格を査定するなどして決定する単価(以下「見積りなどを基礎とした単価」という。)を用いることにしている。しかし、事業主体において、公営住宅等の内装工事の一環として、コンクリートスラブの上に設置される支持脚の付いた床パネルを床仕上げ材の下地として施工する二重床下地に係る工事費の積算に当たり、工事の仕様から物価資料掲載単価を参考にするなどして経済的な積算を行うことが可能な場合においてもこれを用いることなく見積りなどを基礎とした単価により積算を行っている事態が見受けられた。

したがって、国土交通省において、二重床下地に係る工事費の積算について、工事の仕様から物価資料掲載単価を用いることが可能な場合には物価資料掲載単価を参考にするなど市場価格を把握した上で施工単価を決定するよう各事業主体に周知して、経済的な積算となるよう、国土交通大臣に対して平成29年9月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。

2 当局が講じた処置

本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、29年12月に都道府県及び政令市に対して通知を発するなどして、二重床下地に係る工事費の積算について、工事の仕様から物価資料掲載単価を用いることが可能な場合には物価資料掲載単価を参考にするなど市場価格を把握した上で施工単価を決定するよう各事業主体に周知する処置を講じていた。