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  • 平成29年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • 第11 環境省|
  • 不当事項|
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  • (1) 補助金が過大に交付されていたなどのもの

循環型社会形成推進交付金事業において、事務費に含めることとされている業務委託に係る委託料を工事費に含めるなどしていたため、交付金が過大に交付されていたなどのもの[福島県](260)


(1件 不当と認める国庫補助金 5,748,000円)

  部局等 補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度 事業費
(国庫補助対象事業費)
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費)
不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(260) 福島県 安達地方広域行政組合 循環型社会形成推進交付金 28 348,667
(345,285)
115,095 17,242
(17,242)
5,748

この交付金事業は、安達地方広域行政組合が、マテリアルリサイクル推進施設を整備する事業として、本宮市本宮字作田地内において、廃棄物を資源化するために必要な小型家電選別設備等を設置する工事、同工事に係る施工監理業務等を事業費348,667,479円(交付対象事業費345,285,544円、交付金交付額115,095,000円)で実施したものである。

循環型社会形成推進交付金交付取扱要領(平成17年4月環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長通知。以下「取扱要領」という。)によれば、交付対象事業費の範囲は、交付対象設備等に係る本工事費、付帯工事費等から構成される工事費及び事務費とされており、このうち、事務費は、工事費に所定の率を乗じて得た額の範囲内とされていて、施工監理業務に係る委託料を事務費に含めて算定することとされている。そして、本工事費は、材料費、労務費及び直接経費から構成される直接工事費に、共通仮設費及び現場管理費から構成される間接工事費と、一般管理費等を加えて算定することとされている。このうち、現場管理費は、工場において生産される破砕機等の調達額(以下「特殊製品費」という。)が直接工事費に含まれている場合には、当該特殊製品費の2分の1に相当する額を直接工事費及び共通仮設費の合計額である純工事費から減額した上で、取扱要領に定められた所定の率をこれに乗じて得た額の範囲内とされている。また、交付対象設備に係る予備品、消耗品等の経費については、交付の対象とはされていない。

しかし、同組合は、交付対象事業費の算定に当たり、事務費に含めるべき施工監理業務の委託料を工事費に含めていたため、改めて委託料を事務費に含めると事務費の上限額を超えることとなっていたり、現場管理費について純工事費から特殊製品費を減額していなかったり、予備品及び消耗品の経費について交付対象事業費に含めていたりしていた。

したがって、施工監理業務に係る委託料を事務費に含めるとともに、取扱要領に基づいて現場管理費を算出し、予備品及び消耗品の経費を交付対象事業費から除くなどして適正な交付対象事業費を算定すると328,043,289円となることから、本件交付対象事業費345,285,544円は、これに比べて17,242,255円過大になっており、これに係る交付金相当額5,748,000円が過大に交付されていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同組合において交付対象事業費の算定についての理解が十分でなかったこと、福島県において本件交付金事業の実績報告書の審査及び同組合に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。

(「震災復興特別交付税の額の算定に当たり、経費の算定が適切でなかったなどのため、震災復興特別交付税が過大に交付されていたもの」参照)