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  • 平成29年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • (5) 補助対象事業費を過大に精算していたもの

二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の補助対象事業費を過大に精算していたもの[環境本省](270)


(1件 不当と認める国庫補助金 2,344,000円)

  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度 事業費
(国庫補助対象事業費)
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費)
不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(270) 環境本省 一般社団法人温室効果ガス審査協会 コカ・コーライーストジャパンプロダクツ株式会社 二酸化炭素排出抑制対策 26 190,265
(183,636)
61,212 7,031
(7,031)
2,344

この補助事業は、コカ・コーライーストジャパンプロダクツ株式会社(平成30年1月1日以降はコカ・コーラボトラーズジャパン株式会社。以下「会社」という。)が、事業場・工場において二酸化炭素の排出を減少させるための機器等を導入する事業(以下「導入事業」という。)として、蒸気ボイラの燃料を重油から液化天然ガス(以下「LNG」という。)に転換するために、LNG供給設備等を設置したものである。

環境省は、導入事業の実施に当たり、事業主体から提出された交付申請書の受理、交付の決定、実績報告書等の審査、国庫補助金の交付等の事務を公募により選定した者に行わせており、26年度については、一般社団法人温室効果ガス審査協会(以下「協会」という。)が選定され、協会は、上記の事務に対して、環境省から国庫補助金の交付を受けている。

環境省の承認を得て協会が定めた「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(先進対策の効率的実施による二酸化炭素排出量大幅削減設備補助事業)交付規程」等によれば、補助金の交付の対象となるのは、先進的で効率的な蒸気ボイラ、ヒートポンプ等の低炭素機器等の導入事業を行うために必要な工事費等とされている。

会社は、本件補助事業について、会社の白州工場(山梨県北杜市所在)において、LNG貯留タンク2基分の基礎工事、LNG貯留タンク1基の設置工事等を事業費190,265,000円(補助対象事業費183,636,500円、補助金交付額61,212,000円、国庫補助金相当額同額)で実施したとして実績報告書を協会に提出して、国庫補助金の交付を受けていた。

しかし、会社は、LNG貯留タンク2基分の基礎工事のうち、LNG貯留タンクを当面設置しない1基分の基礎工事は、それのみでは先進的で効率的な低炭素機器等の導入事業を行うために必要な工事費等に該当しないのに、誤って、上記1基分の基礎工事を含めてLNG貯留タンク2基分の基礎工事に係る工事費等を補助対象事業費として算定していた。

したがって、LNG貯留タンクを設置しない1基分の基礎工事に係る工事費等を除くなどして適正な補助対象事業費を算定すると176,604,606円となり、前記の補助対象事業費183,636,500円との差額7,031,894円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金相当額2,344,000円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、会社において補助対象事業費の算定に対する理解が十分でなかったこと、協会において実績報告書の審査及び確認が十分でなかったこと、環境本省において協会に対する指導監督が十分でなかったことなどによると認められる。