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  • 平成29年度|
  • 第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等

第5節 特別会計財務書類の検査


平成28年度特別会計財務書類の内閣から本院への送付年月日
平成29年11月7日
検査対象
17府省庁等が所管する14特別会計の平成28年度特別会計財務書類
平成28年度特別会計財務書類の本院から内閣への回付年月日
平成29年12月25日

会計検査院は、特別会計に関する法律(平成19年法律第23号。以下「法」という。)第19条第2項の規定に基づき、平成29年11月7日に内閣から送付を受けた17府省庁等(注1)が所管する14特別会計(注2)の平成28年度特別会計財務書類について検査した。そして、同年12月25日に、内閣に対して、同書類の検査を行った旨を通知し、同書類を回付した。

(注1)
17府省庁等  国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務、法務、外務、財務、文部科学、厚生労働、農林水産、経済産業、国土交通、環境、防衛各省
(注2)
14特別会計  交付税及び譲与税配付金、地震再保険、国債整理基金、外国為替資金、財政投融資、エネルギー対策、労働保険、年金、食料安定供給、国有林野事業債務管理、貿易再保険、特許、自動車安全、東日本大震災復興各特別会計

内閣に通知した検査結果の概要は、次のとおりである。

平成28年度特別会計財務書類について、正確性、合規性等の観点から、法、特別会計に関する法律施行令(平成19年政令第124号)、特別会計の情報開示に関する省令(平成19年財務省令第30号)、同省令第1条の規定に基づき定められた特別会計財務書類の作成基準(平成20年財務省告示第59号。以下「作成基準」という。)等に従った適切なものとなっているかなどに着眼して検査した結果、作成基準等と異なる処理をしていて、特別会計財務書類の計上金額の表示が適切とは認められないものが、のとおり、17府省庁等が所管する3特別会計において6事項見受けられた。

なお、上記の6事項については、全て5府省(注3)において所要の訂正が行われた。

(注3)
5府省  内閣府、文部科学、経済産業、国土交通、環境各省

表 特別会計財務書類の計上金額の表示が適切とは認められないもの

番号 特別会計名 
(勘定名等)
所管 財務書類の科目等   事項
計上金額
(単位:百万円)
適切な計上金額
(単位:百万円)
1 エネルギー対策
(電源開発促進)
内閣府、文部科学省、経済産業省及び環境省 貸借対照表 退職給付引当金 本会計年度 3,864 3,686
負債合計 本会計年度 4,373 4,195  
資産・負債差額 本会計年度 373,731 373,892
業務費用計算書 退職給付引当金繰入額 本会計年度 550 372
本年度業務費用合計 本会計年度 320,037 319,859  
資産・負債差額増減計算書
II 本年度業務費用合計
本会計年度 △320,037 △319,859  
IV 無償所管換等
本会計年度 2,206 2,189
VI 本年度末資産・負債差額
本会計年度 373,731 373,892  
附属明細書
1 貸借対照表の内容に関する明細
(2) 負債項目の明細
② 退職給付引当金の明細
  退職手当に係る引当金 本年度増加額 543 366
本年度末残高 3,577 3,399
3 資産・負債差額増減計算書の内容に関する明細
(2) 無償所管換等の明細
  誤謬訂正(増) 退職給付引当金 (記載なし) 0
〈表示が適切とは認められない事項の説明〉
事項① 貸借対照表の「退職給付引当金」は、作成基準等により、年度末の支給対象職員数を基に算定することとなっているのに、誤った支給対象職員数を基に算定していたもの(内閣府及び環境省)
なお、上記に連動して、連結貸借対照表、連結業務費用計算書、連結資産・負債差額増減計算書、合算貸借対照表、合算業務費用計算書及び合算資産・負債差額増減計算書の関連箇所に誤りが生じていた。
エネルギー対策
(電源開発促進(連結))
連結貸借対照表 未払金 本会計年度 29,907 31,669
その他の債務等 本会計年度 7,899 6,137
附属明細書
1 連結対象法人別の資産及び負債の明細
  未払金 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 29,898 31,660
その他の債務等 7,899 6,137
〈表示が適切とは認められない事項の説明〉
事項② 連結対象法人の長期未払金は、作成基準等により、連結貸借対照表の「未払金」に計上することとなっているのに、誤って「その他の債務等」に計上していたもの(文部科学省)
エネルギー対策
(原子力損害賠償支援(連結))
連結区分別収支計算書
I 業務収支
1 財源
    独立行政法人等収入 前会計年度 35,055
財源合計 前会計年度 415,841 450,897  
2 業務支出
(1) 業務支出(施設整備支出を除く)
    その他の支出 前会計年度 △0
業務支出合計 前会計年度 △1,475,100 △1,475,101  
    原子力損害賠償・廃炉等支援機構の業務活動によるキャッシュ・フロー(間接法) 前会計年度 254,174 220,168
業務収支 前会計年度 △805,085 △804,035  
II 財務収支
    利息の支払額 前会計年度 △4,178 △5,228
財務収支 前会計年度 945,816 944,766  
〈表示が適切とは認められない事項の説明〉
事項③ 本会計年度に連結区分別収支計算書の科目の表示方法を変更した際、本会計年度の金額との比較対照を可能にする必要があるとして、作成基準等により、同計算書における前会計年度の金額を変更後の表示方法に基づいた金額に修正して表示することとして注記にその旨を記載していたのに、誤って前会計年度の金額を修正していなかったもの(経済産業省)
2 自動車安全
(自動車検査登録(連結))
国土交通省 連結業務費用計算書 委託費 本会計年度 281 577
本年度業務費用合計 本会計年度 41,566 41,862  
連結資産・負債差額増減計算書
II 本年度業務費用合計
本会計年度 △41,566 △41,862  
III 財源
本会計年度 44,226 44,523
4 独立行政法人等収入
本会計年度 9,785 10,081
連結区分別収支計算書
I 業務収支
1 財源
    独立行政法人等収入 本会計年度 13,898 14,194
財源合計 本会計年度 71,091 71,388  
2 業務支出
(1) 業務支出(施設整備支出を除く)
      委託費 本会計年度 △281 △577
業務支出(施設整備支出を除く)合計 本会計年度 △46,540 △46,775  
業務支出合計 本会計年度 △50,981 △51,217  
附属明細書
2 連結対象法人別の業務費用の明細
  委託費 相殺消去 △296
3 連結対象法人別の資産・負債差額の増減の明細
  4 独立行政法人等収入 相殺消去 △6,629 △6,332
4 連結対象法人別の区分別収支の明細
  独立行政法人等収入 相殺消去 △6,629 △6,332
委託費 相殺消去 296
〈表示が適切とは認められない事項の説明〉
事項④ 連結業務費用計算書で連結対象法人との内部取引を相殺して消去する際には、作成基準等により、当該法人の連結を行っている勘定への支払額を消去することとなっているのに、誤って連結を行っていない勘定への支払額を消去していたもの(国土交通省)
3 東日本大震災復興 国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省 業務費用計算書 人件費 本会計年度 8,795 8,569
その他の経費 本会計年度 29,276 29,511
資産・負債差額増減計算書 III 財源 本会計年度 2,003,345 2,001,720  
1 自己収入
本会計年度 819,267 817,642
その他の財源
本会計年度 724,643 723,018
IV 無償所管換等 本会計年度 △174,002 △172,384
区分別収支計算書
I 業務収支
2 業務支出
(1) 業務支出(施設整備支出を除く)
  人件費 本会計年度 △9,427 △9,192
その他の支出 本会計年度 △29,264 △29,499
附属明細書
2 業務費用計算書の内容に関する明細
(1) 所管別の業務費用の明細
  人件費 文部科学省 1,966 1,723
その他の経費 文部科学省 30 264
3 資産・負債差額増減計算書の内容に関する明細
(1) 所管別の資産・負債差額の増減の明細
  III 財源 内閣府 41,283 39,658
1 自己収入
内閣府 8,297 6,672
その他の財源
内閣府 8,297 6,672
IV 無償所管換等 内閣府 1,624
(2) その他の財源の明細
  相手先      
雑収入 雑収入 民間事業者、地方公共団体、個人等 108,982 107,357
(4) 無償所管換等の明細
  誤謬修正等 その他の財源 (記載なし) 1,624
4 区分別収支計算書の内容に関する明細
(1) 所管別の区分別収支の明細
  人件費 文部科学省 △1,980 △1,745
その他の支出 文部科学省 △30 △264
〈表示が適切とは認められない事項の説明〉
事項⑤ 委員手当は、作成基準等により、業務費用計算書の「その他の経費」及び区分別収支計算書の「その他の支出」に計上することとなっているのに、誤ってそれぞれの計算書の「人件費」に計上していたもの(文部科学省)
事項⑥ 前年度以前の会計処理の誤びゅうに係る修正の対象となる科目が資産・負債差額増減計算書の財源の科目である場合には、作成基準等により、修正額を財源の科目ではなく、資産・負債差額増減計算書の「無償所管換等」に計上することとなっているのに、誤って財源の科目である「その他の財源」に計上していたもの(内閣府)
なお、上記に連動して、連結業務費用計算書、連結資産・負債差額増減計算書及び連結区分別収支計算書の関連箇所に誤りが生じていた。