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  • 国会及び内閣に対する報告(随時報告)|
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書|
  • 平成30年4月|

官民ファンドにおける業務運営の状況について


2 検査の観点、着眼点、対象及び方法

(1) 検査の観点及び着眼点

官民ファンド運営法人は、設置根拠法、交付要綱等に定められた政策目的に沿った支援を行うこととなっており、官民ファンドの業務運営に関して官民ファンド運営法人16法人に対して行われた政府出資等の額は多額に上っている。そして、官民ファンド運営法人が行う支援に失敗が多数発生して損失が生じていないか、政策目的に沿った支援が行われているかなどについて国民の関心が高くなっている。

そこで、会計検査院は、官民ファンドにおける業務運営の状況について、合規性、経済性、効率性、有効性等の観点から、次の点に着眼して検査した。

ア 官民ファンド運営法人に対する官民ファンドの業務運営に関する国の財政支援の状況、官民ファンド運営法人による支援の実施状況はどのようになっているか。

イ 官民ファンド運営法人の案件発掘、支援決定、モニタリング等の支援業務の実施状況はどのようになっているか。

ウ 官民ファンド運営法人における官民ファンドの業務に係る財務等の状況はどのようになっているか。

(2) 検査の対象及び方法

関係閣僚会議及び幹事会による検証の対象となっている官民ファンド運営法人16法人が運営する14官民ファンドを検査の対象として、計算証明規則(昭和27年会計検査院規則第3号)に基づき提出された財務諸表等のほか、官民ファンド運営法人に支援の実施状況等に係る調書等の提出を求めて、これらを分析するとともに、9関係府省(注4)、官民ファンド運営法人16法人、当該法人から出資を受けて支援業務を行うなどしている国立大学法人4法人の子会社等の6法人(注5)、4国大ファンド(注6)及び14サブファンド(注7)において会計実地検査を行った。

(注4)
9関係府省  内閣官房、内閣府本府、総務省、財務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省
(注5)
6法人  ブルーパートナーズ株式会社、東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社、京都大学イノベーションキャピタル株式会社、大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社、三沢くらしのさと株式会社
(注6)
4国大ファンド  THVP-1号投資事業有限責任組合、協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合、イノベーション京都2016投資事業有限責任組合、OUVC1号投資事業有限責任組合
(注7)
14サブファンド  ブルーパートナーズ第一号投資事業有限責任組合、しぎん6次産業化応援ファンド投資事業有限責任組合、かごしまアグリクラスター6次産業化投資事業有限責任組合、福銀6次産業化投資事業有限責任組合、先端技術産業創造投資事業有限責任組合、インスパイア・テクノロジー・イノベーション・ファンド投資事業有限責任組合、九州事業継続ブリッジ投資事業有限責任組合、ちば新産業育成投資事業有限責任組合、静岡中小企業支援3号投資事業有限責任組合、岩手産業復興機構投資事業有限責任組合、ひろしまイノベーション推進第2号投資事業有限責任組合、静岡中小企業支援4号投資事業有限責任組合、OiDEファンド投資事業有限責任組合、かごしま再生可能エネルギー投資事業有限責任組合