ページトップ
  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 令和3年5月

福島第一原子力発電所事故に伴い放射性物質に汚染された廃棄物及び除去土壌等の処理状況等に関する会計検査の結果について


別図表0-8 日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(平成26年11月18日参議院環境委員会)

日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

一、中間貯蔵・環境安全事業株式会社の事業継続を前提として、中間貯蔵開始後三十年以内に福島県外での最終処分完了を確実に実行することが政府に課せられた法的責務であることを十分に踏まえつつ、環境省を中心に政府は最終処分地の選定を検討し、除去土壌等の減容化技術の早期開発等、必要な措置の具体的内容と各ステップの開始時期を明記した工程表を作成するとともに、その取組の進捗状況について毎年、国会に報告すること。

また、万が一、取組に遅れが生じるおそれがある場合においては、その原因を徹底的に究明するとともに対応策を講じ、本委員会において法定期間内での最終処分完了に国が責任を持つことを改めて明言すること。

二、中間貯蔵施設の整備から福島県内除去土壌等の同施設への搬入、運営管理、福島県外での最終処分に至るまでの間、講じられるすべての施策について、国の責務規定の趣旨を踏まえ主導的に取り組むこと。また、中間貯蔵・環境安全事業株式会社に委託した事業において、万が一、事故等が生じた場合には、国が責任を持ってその対処に当たること。

三、中間貯蔵施設の整備に当たっては、地権者に分かりやすく丁寧に説明し、地権者の理解を得られるようにすること。また、国が土地を買い取る場合でも住民票を残せるようにするなど、各地権者の希望に沿った柔軟な対応に努めること。

四、中間貯蔵施設の供用開始については、福島県及び県内市町村等の意向に配慮しつつ早期に実現できるよう努め、福島県内に多数設置されている除去土壌の仮置場等の早期解消を図ること。また、その際には仮置場等に万が一にも除去土壌が流出、残留することのないよう細心の注意を払うこと。

五、中間貯蔵施設への福島県内除去土壌等の輸送ルートの設定など輸送計画策定に当たっては、福島県及び県内市町村等の意見を十分に聞いた上で、安全・安心に十分配慮したものとすること。

六、中間貯蔵施設への福島県内除去土壌等の輸送に伴い生じる道路改良・維持修繕、交通安全施設の整備、粉じん・騒音対策、モニタリングなど、道路に係る様々な維持管理や、搬入に伴い生じるルート沿線住民に対する周辺対策に関する経費は、中間貯蔵施設の搬送ルートに基因するものであることから、政府において対応すること。

七、中間貯蔵施設及び福島県内除去土壌等の輸送に関し、関係住民の安全・安心を確保するため、福島県及び大熊町・双葉町との協定を早期に締結すること。

八、中間貯蔵施設の設置予定地周辺の住民を中心として、放射性物質による環境汚染や風評被害が懸念されていることに鑑み、除去土壌等の保管に際しては万全な安全管理と確実なモニタリングを行うとともに、徹底した情報公開の下で住民の不安を取り除くための説明を継続して実施すること。

九、中間貯蔵施設設置に係る協議の中で福島県及び大熊町、双葉町に対し講じることとした、新規かつ追加的な財政措置については、その適正な執行と透明性の確保に十分留意し、国民の理解を得るよう努めるとともに、地域の実情に配慮し、使途の自由度を高めること。また、今後も原子力発電所事故による極めて過酷な状況が継続することに鑑み、福島県の復興に係る財政措置については、県及び関係市町村と引き続き十分な協議を行うこと。

十、本改正により中間貯蔵・環境安全事業株式会社に追加される中間貯蔵に係る事業を、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業の進捗に影響を及ぼすことなく、福島県外での最終処分の完了に至るまでの間、国と一体となって滞りなく実施できるよう、放射性物質に係る専門的人材を確保するなど、同社の体制強化を速やかに行うこと。

十一、中間貯蔵に係る事業の追加を含む今回の法改正が特殊会社の延命との批判を受けることのないよう、中間貯蔵・環境安全事業株式会社に対して厳正な運営と人事管理に努めるとともに、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業及び中間貯蔵に係る事業の終了の際には、特殊法人改革の趣旨を踏まえ、廃止を含めた組織の見直しを迅速かつ適正に行うこと。

右決議する。