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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 令和3年5月

福島第一原子力発電所事故に伴い放射性物質に汚染された廃棄物及び除去土壌等の処理状況等に関する会計検査の結果について


別図表0-11 福島第一原発事故に伴い放射性物質に汚染された廃棄物及び除去土壌等の処理状況等に関する検査報告掲記事項等の所見の概要

会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告「東日本大震災に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境汚染に対する除染について」(平成25年10月報告)

今後、環境省において、以下の点に留意して除染が推進されるよう取り組むことが望まれる。

ア 福島県内において、環境省が除染を実施する除染特別地域及び福島県内の市町村が除染を実施する汚染状況重点調査地域について、除染が迅速かつ円滑に実施されるため、除染で発生する土壌等の仮置場の確保及び除染の実施に係る関係人の同意取得に時間を要している状況が改善されるよう、更に仮置場の確保等について地元と調整を図るなどしていくとともに、関係地方公共団体等との連絡調整を十分に行うなどして、有効かつ効率的な執行に努め、必要に応じて市町村に助言を行うなど緊密に連携すること

イ 福島事務所では、限られた人員で事業実施に取り組んでいるが、事業実施に当たっては、除染に関する専門的な知識も必要となることなどから、人的な事業実施体制について更に検討すること

ウ 「事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関する基本的な方針」における長期的な目標等の達成等に向けて、空間線量率の把握等について十分な検討を行うとともに、汚染状況重点調査地域に指定されている市町村に対して、必要に応じて助言を行うこと

エ 除染適正化プログラムに沿い、不適正な除染の再発防止に取り組んでいるところであるが、今後も適切に対応していくこと

オ 東京電力への求償について、支払を受けていないものがあることから、速やかに費用の支払が行われるよう、放射性物質汚染対処特措法の趣旨等も踏まえるなどして、十分に調整を行い、引き続き求償を行っていくなど適切に対応すること

「東日本大震災に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質により発生した指定廃棄物の一時保管及び処理の状況等について」(平成25年度決算検査報告(特定検査対象に関する検査状況))

環境省においては、指定廃棄物についての国の処理体制が早期に構築されることを目指して、指定廃棄物の処理について地域住民や関係者の理解等を得るための取組を引き続き着実に進める必要がある。

そして、最終処分場の確保等を含めた指定廃棄物の処理体制が構築されるまでの間、地域住民の生活環境に及ぼす影響を低減するとともに、国民生活の安全・安心を確保するために、特に次の点に留意して事業を実施していくことが求められる。

ア 指定廃棄物の一時保管場所がひっ迫している事業主体に対して、処理方針等に基づき、財政的な支援に限らず、必要に応じて適正な一時保管のための技術的助言やその他の支援を実施するなどして、指定廃棄物の一時保管に係る負担を軽減するよう努めること

イ 施設整備事業に係る委託契約を締結している全ての事業主体において指定廃棄物の保管容器に係る安全性が適切に確保されるよう、一時保管の状況について確認するとともに、保管容器の更新等に対する支援・助言を行うなどすること

ウ 8,000Bq/kg以下廃棄物の処分の見通しが立っていない事業主体に対して、法令の基準等に基づきこれらを適切に処分できるよう助言を行うなどすること

また、福島県等における実証事業については、今後も各事業を着実に実施し、これにより得られた技術的知見や成果を活用しつつ、必要に応じて指定廃棄物の減容化や焼却灰に含まれる事故由来放射性物質の分離等を推進していく必要がある。

会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告「東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等に関する会計検査の結果について」(平成25年10月、27年3月、28年4月及び29年4月報告)

(25年10月報告)

エ 原子力災害からの復興再生については、長期的視点から、被災者等に対する支援や除染等の実施、産業振興・雇用対策等に関して、被災した地方公共団体の意向や要望等を踏まえるなどして、必要な支援に努めること

(27年3月報告)

エ 原子力災害からの復興再生について、国は、引き続き除染等の事業の早期の完了を目指すとともに、現在も多くの住民が避難生活を送っている福島県については、住民の意向を踏まえるなどして、長期避難者支援等の事業の円滑かつ迅速な実施に努めること

(28年4月報告)

オ 原子力災害からの復興再生については、国は、除染等の措置をより進捗させるために、除去土壌等の保管場所である中間貯蔵施設等の整備の促進に努めること

(29年4月報告)

カ 原子力災害からの復興再生のうち除染等の措置について、国は、除去土壌等が仮置場等に長期間保管されていて多額の維持管理費が発生するなどしていることを踏まえて、除去土壌等の保管場所である中間貯蔵施設の整備の促進に努めること。また、汚染廃棄物処理事業について、農林業系廃棄物等が各農家等に保管されていて大きな負担となっていることを踏まえて、仮設焼却施設の設置等による減容化等、汚染廃棄物の処理の促進に努めること。さらに、特措法3事業及び緊急実施除染事業に係る事業費について、放射性物質汚染対処特措法等に基づき関係原子力事業者が賠償すべき損害に係る賠償金が東京電力から確実に支払われるよう、求償を適切に行っていくこと