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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 令和3年5月

福島第一原子力発電所事故に伴い放射性物質に汚染された廃棄物及び除去土壌等の処理状況等に関する会計検査の結果について


別図表5-3 変更戦略に記載された中間目標の達成状況

中間目標 中間目標の達成に向けた具体的な取組
1.減容・再生利用技術の開発 スクリーニング時から出荷されるまでの各段階で放射線影響に関する安全性を確保しつつ、安定的かつ大規模に低コストで処理できる分級処理システム技術を確立する。 技術の成熟度が高く、大量かつ安価に処理が可能な分級処理のシステム技術実証試験を先行して実施し(平成28年度(2016年度)~30年度(2018年度))、引き続き、土壌の高度処理、焼却灰の減容処理技術のシステム技術実証試験を行った。また、分級処理後の再生資材を土木資材等にモデル的に活用する実証試験を行う(平成28年度(2016年度)~)。
土壌の熱処理、化学処理等の高度処理について、小規模技術実証・評価事業等を通じて、国直轄で実施するシステム技術実証の候補となる処理技術を特定する。 将来的に活用の可能性のある技術(除去土壌の熱処理及び化学処理、焼却灰の熱処理及び洗浄処理等)を対象に、小規模の実証試験による評価を行い、その結果を直轄型のシステム技術実証試験の対象技術選定に活用し、平成30年度(2018年度)時点で、除去土壌や焼却灰の減容・再生利用技術の現状把握、評価を実施した(平成28年度(2016年度)~)。
焼却灰の減容処理技術について、既存施設における実証試験により技術情報の蓄積を図るとともに、小規模技術実証・評価事業等を通じて、追加的に国直轄で実施するシステム技術実証の候補となる処理技術を特定する。
浄化物を再生資材化する工程や再生利用時におけるスクリーニング技術、モニタリング技術、被ばく管理技術、遮へい技術等の放射線管理技術を確率する。 地元の理解と再生利用先の確保を前提として、分級処理前の低濃度土壌を用いた土木資材等への先行的活用の可能性調査及び実証試験を行い、施工中及び施工後のモニタリングを継続的に実施し、この手法における安全性を確認した(平成27年度(2015年度)~)。
2.再生利用の推進 再生利用の基本的考え方を明確化するとともに、分級処理後の浄化物を主な対象に、再生利用に係る知見や実績を蓄積し、社会的受容性を段階的に向上させることを目的とした実証事業やモデル事業を実施する。再生資材の利用を円滑に進めるため、既存の公共事業等に係る環境関連法令等も含め、現場での再生資材の利用や管理の際の留意点を整理した「再生利用の手引き(仮称)」を作成する。 再生資材等の利用動向や要求品質の調査、放射線影響に関する安全性確保の検討を行い、除去土壌の再生利用について、利用先を限定し、放射能濃度の限定、覆土による遮へい等の適切な管理で実施することなどを整理した再生利用の基本的考え方を取りまとめた(平成27年度(2015年度)~28年度(2016年度))。この基本的考え方を踏まえ、各用途に応じて、現場での再生資材の利用や管理の際の留意点を整理した再生利用の手引き(案)を作成した(平成28年度(2016年度)~30年度(2018年度))。
再生資材の利用に対する社会的受容性を段階的に向上させるため、再生利用の手引きや促進方策を検討するための実証事業を実施した(平成28年度(2016年度)~)。
3.最終処分の方向性の検討 再生処分される土壌等や処理後の濃縮物の性状や放射線濃度、処分量に応じて、最終処分場の要求される施設構造等の要件を整理する。 核種がセシウム137及びセシウム137に限定されることを踏まえ、土壌等や処理後の放射線濃度の高い残渣の性状や放射線濃度、処分量の応じて最終処分場の要求される施設構造等の要件を整理した(平成28年度(2016年度)~30年度(2018年度))。
4.全国民的な理解の醸成等 技術開発や再生利用の考え方及び進め方、放射線影響に関する安全性等に対する全国民的理解の・信頼の醸成を進める。特に、実証実験、モデル事業、さらには本格的な再生利用が円滑に進むよう、地元自治体、地域住民等による社会的受容性の段階的な拡大・深化を図る。これらの取り組みを通じて得られた知見・経験を再生利用等の取組に反映する。 一般の国民等を対象に本戦略の内容や放射線による健康影響に係る知識等を普及啓発し、再生利用や最終処分に関する情報交換や議論を促進するため、ウェブサイト等を通じた各種取組の進捗等に係る情報公開・情報発信、専門家と市民との対話等を実施した(平成27年度(2015年度)~)。また、理解醸成活動の効果測定及び今後の活動の参考とするため、除去土壌の再生利用に関する現状の関心、認知度等について全国の20代~60代の男女を対象にWEBアンケート調査を実施した(平成30年度(2018年度)~)。
技術開発の進捗に応じ、企業、専門家、学術・教育機関等を対象に技術実証試験の評価結果の公開や技術関連イベントを通じた成果報告を実施した(平成27年度(2015年度)~)。再生資材のモデル的活用に関する実証試験を円滑に進めるため、地元自治体、地域住民等を対象に、その必要性、放射線影響に関する安全性等に係る対話型・参加型の理解・信頼醸成活動を実施した(平成28年度(2016年度)~)。
再生利用に係る取組の進捗に応じ、以下の取組を実施した。
①関係府省庁、自治体、専門家等を対象とした、再生利用の基本的考え方、再生利用の手引き、促進方策、実施方針等の検討過程における意見交換・対話、その取りまとめ結果の情報発信及び継続的なコミュニケーション(平成28年度(2016年度)~)
②自治体、学術・教育機関、企業等を対象としたモデル事業への参加・協力の働きかけ、事業実施場所の地元自治体、地域住民等を対象とした、事業の必要性、放射線影響に関する安全性等に係る対話型・参加型の理解・信頼醸成活動(平成28年度(2016年度)~)
③関係府省庁、自治体、企業、NPO等を対象とした、説明会の開催、土木・建築素材に関する展示会等への出展、減容化施設等の視察会の開催等を通じた情報提供(平成28年度(2016年度)~)