(1件 不当と認める国庫補助金 2,939,062円)
部局等
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補助事業者等
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間接補助事業者等
(事業主体) |
補助事業等
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年度
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事業費
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左に対する国庫補助金等交付額
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不当と認める事業費
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不当と認める国庫補助金等相当額
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(12) |
内閣府本府
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沖縄県
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国頭郡恩納村
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沖縄振興特別推進交付金
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3
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312,070 | 188,655 | 3,702 | 2,939 |
この交付金事業は、地域の伝統芸能の保存継承及び観光誘客を図るために、恩納村が恩納村字仲泊(なかどまり)地内において、観光交流施設(鉄筋コンクリート造地上2階建て)の整備として、建築工事、電気設備工事等を事業費312,070,000円(交付対象事業費246,344,000円)で実施したものであり、このうち建築工事については工事費222,860,000円(同180,481,000円)となっている。
本件建築工事のうち、施設の屋上の防水工は、コンクリート直均(じかなら)し仕上げの上、ウレタン塗膜防水等を行うものである。
同村は、本件建築工事の設計を設計コンサルタントに委託して、数量調書等の成果品の提出を受けており、この成果品に基づくなどして、本件建築工事の予定価格に係る設計数量を算出している。そして、ウレタン塗膜防水の設計数量については、屋上全体を平面部分と立ち上がり部分とに分割して算出し、平面部分の859㎡と立ち上がり部分の23.1㎡とを足し合わせることにより、計882㎡としていた。
しかし、この設計数量のうち、平面部分の859㎡は、その形状が台形であることから、北西側の一辺の長さ14.02m(上底)に南東側の一辺の長さ17.24m(下底)を加えた31.26mに北西側から南東側までの長さ26.41m(高さ)を乗じて得た826㎡に、2分の1を乗ずるなどして算出すべきところ、誤って2分の1を乗ずるなどすることなく算出していたものであり、適正な設計数量である409㎡に対して、450㎡過大となっていた。なお、立ち上がり部分の23.1㎡には一部計上漏れがあり、適正な設計数量である33㎡に対して9.9㎡過小となっていた(参考図参照)。
このため、前記ウレタン塗膜防水の設計数量882㎡は、過小に算出されていた立ち上がり部分の面積を考慮しても、適正な設計数量計442㎡に対して440㎡過大となっていた。このほか、上記屋上の平面部分の設計数量が過大になっていたことにより、コンクリート直均し仕上げの設計数量についても450㎡過大となっていた。
したがって、適正な設計数量に基づいて本件建築工事費を修正計算すると、219,157,993円となることから、本件契約額222,860,000円はこれに比べて3,702,007円割高となっており、これに係る交付金相当額2,939,062円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同村において本件建築工事の予定価格の算定に当たり、委託した業務の成果品における設計数量の確認が十分でなかったこと、沖縄県において実績報告書等の審査及び同村に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
(参考図)