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(4) 独立行政法人国立高等専門学校機構情報機器整備費補助金が過大に交付されていたもの[文部科学本省](46)


1件 不当と認める国庫補助金 2,353,524円

独立行政法人国立高等専門学校機構情報機器整備費補助金(以下「補助金」という。)は、デジタル技術を活用した高度な教育を提供できる環境を実現させることを目的として、独立行政法人国立高等専門学校機構(以下「機構」という。)によって設置された国立高等専門学校(以下「高専」という。)が遠隔授業を実施するのに必要な経費等を機構に対して国が補助するものである。

補助金の補助対象経費は、独立行政法人国立高等専門学校機構情報機器整備費補助金交付要綱(令和2年文部科学大臣決定)等によれば、機構が補助事業を実施するために必要な経費のうち、遠隔授業の環境構築の加速による学修機会の確保に係る事業(以下「遠隔授業事業」という。)における遠隔授業実施のための設備整備、通信機器整備、ソフトウェア購入等及び利用支援等の体制整備に要する経費とされている。このうち遠隔授業実施のための設備整備は、サーバの整備費等を補助対象経費としていて通信費は含まれないこととされている。そして、サーバの保守(定期点検、修理、メンテナンス等をいう。以下同じ。)に係る経費、遠隔授業の実施に必要なソフトウェアの使用料等については、遠隔授業の環境構築の加速による学修機会の確保に必要な経費として遠隔授業事業の実施年度である令和2年度の分に限り補助の対象となることとなっている。

本院が、機構において会計実地検査を行ったところ、次のとおり適正とは認められない事態が見受けられた。

 
部局等
補助事業者
(事業主体)
補助事業
年度
補助対象経費
左に対する国庫補助金交付額
不当と認める補助対象経費
不当と認める国庫補助金
摘要
          千円 千円 千円 千円  
(46)
文部科学本省
独立行政法人国立高等専門学校機構
遠隔授業事業
2 923,069 923,069 2,353 2,353
補助の対象とならない通信費及び3年度以降の期間分のソフトウェアの使用料等を補助対象経費に含めていたもの

機構は、令和2年度に、全国に設置している51高専において遠隔授業事業を実施しており、補助対象経費を計923,069,774円とする実績報告書を文部科学省に提出して、同額の補助金の交付を受けていた。しかし、機構は、上記の補助対象経費に、5高専において補助の対象とならない通信費並びに3年度以降の期間分のサーバの保守に係る経費及びソフトウェアの使用料を含めていたため、補助金計2,353,524円が過大に交付されていて、不当と認められる(参照)。

このような事態が生じていたのは、機構において補助対象経費についての理解が十分でなかったこと、文部科学省において機構から提出された実績報告書等の審査が十分でなかったことなどによると認められる。

表 不当と認める補助対象経費

(単位:円)

高専名 補助対象経費 不当と認める補助対象経費
函館工業高等専門学校 18,750,000 499,377
福井工業高等専門学校 18,750,000 474,118
鈴鹿工業高等専門学校 18,691,919 311,473
米子工業高等専門学校 18,750,000 178,763
徳山工業高等専門学校 18,750,000 889,793
小計 93,691,919 2,353,524
上記5高専以外の46高専の小計 829,377,855
923,069,774 2,353,524