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  • 令和4年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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(18) 障害児入所給付費等負担金が過大に交付されていたもの[愛知県](184)


1件 不当と認める国庫補助金 3,684,647円

障害児入所給付費等負担金(以下「負担金」という。)は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)に基づき、障害児の福祉の向上を図ることなどを目的として、都道府県又は市町村(特別区を含む。)が、都道府県知事等の指定する障害児入所施設等に児童を入所させるなどの措置をとり、当該障害児入所施設等に対して、障害児入所措置費を支給した場合、又は障害児通所支援事業者等から障害児入所支援又は障害児通所支援を受けるなどした障害児の保護者等に対して、障害児入所給付費、障害児通所給付費等を支給した場合に、その支給に要する費用の一部を国が負担するものである。

負担金の交付額のうち、障害児通所給付費に係る分については、「障害児入所給付費等国庫負担金及び障害児入所医療費等国庫負担金交付要綱」(平成19年厚生労働省発障第1218002号)等に基づき、次のとおり算定することとなっている。

負担金の交付額のうち、障害児通所給付費に係る分 図

また、厚生労働省は、令和2年2月に、新型コロナウイルス感染症対策のための小学校・中学校・高等学校・特別支援学校における一斉臨時休業(以下「臨時休業」という。)の要請が行われたことに伴い、保護者が仕事を休めない場合に自宅等で一人で過ごすことができない児童がいる世帯において、障害児通所支援のうち放課後等デイサービスの利用が増加することが考えられることから、障害児通所給付費の支給に要した費用の額(以下「実支出額」という。)のうち、2年3月2日から春休みの前日までの臨時休業に伴い放課後等デイサービスの利用が通常より増加した分(以下「臨時休業増加分」という。)の費用の全額を国の負担とすることとしている。そして、臨時休業増加分の費用の額のうち、2分の1については従来どおり負担金を交付し、残る2分の1については障害者総合支援事業費補助金(新型コロナウイルス感染症対策に係る特別事業分)(以下「特別事業分補助金」という。)を別途交付することとしている。

本院が、23都道府県の93事業主体において会計実地検査を行ったところ、愛知県の1事業主体において、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。

 
部局等
補助事業者(事業主体)
年度
国庫負担対象事業費
左に対する国庫負担金交付額
不当と認める国庫負担対象事業費
不当と認める国庫負担金交付額
摘要
        千円 千円 千円 千円  
(184)
愛知県
岡崎市
2 1,801,698 900,849 7,369 3,684
対象経費を二重に計上していたもの

岡崎市は、令和2年度の負担金の交付額の算定に当たり、実支出額として臨時休業増加分の費用の額を既に計上しているのに、誤って、これと同額である特別事業分補助金の交付を受けるために算出した額についても負担金の実支出額に加算していた。このため、臨時休業増加分の費用の額を二重に計上したことになり、その結果、国庫負担対象事業費が7,369,295円過大に算定されており、これに係る負担金3,684,647円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同市において国庫負担対象事業費の額の確認が十分でなかったこと、愛知県において事業実績報告書の審査が十分でなかったことなどによると認められる。