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  • 令和4年度|
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  • (1) 補助の対象とならないなどのもの

経営継続補助事業の実施に当たり、同事業以外に国からの交付金の交付を受けていて、補助の対象とならないもの[農林水産本省](207)―(212)


(6件 不当と認める国庫補助金  6,043,592円)

 
部局等
補助事業者等
間接補助事業者等
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(207)
農林水産本省
一般社団法人全国農業会議所
A
(事業主体)
経営継続補助
3
3,136
(3,136)
1,000 3,136
(3,136)
1,000
(208)
B
(事業主体)
3
2,980
(2,980)
1,000 2,980
(2,980)
1,000
(209)
有限会社千姓
(事業主体)
3
3,661
(3,661)
1,043 3,661
(3,661)
1,043
(210)
C
(事業主体)
3
1,800
(1,800)
1,000 1,800
(1,800)
1,000
(211)
D
(事業主体)
3
6,347
(6,347)
1,000 6,347
(6,347)
1,000
(212)
E
(事業主体)
3
4,185
(4,185)
1,000 4,185
(4,185)
1,000
(207)―(212)の計 22,110
(22,110)
6,043 22,110
(22,110)
6,043
(注)
事業主体名のアルファベットは、個人事業者を示している。

これらの補助事業は、新型コロナウイルス感染症の影響を克服し、経営の継続に向けた取組(以下「経営継続の取組」という。)を支援することを目的として、事業主体が経営継続の取組等に必要とする経費について、国庫補助金を交付するものである。

経営継続補助金実施要綱(令和2年2経営第660号農林水産事務次官依命通知)等によれば、事業実施主体である一般社団法人全国農業会議所(以下「会議所」という。)は、常時使用する従業員の数が20人以下であって農林漁業を営む個人又は法人である事業主体が行う、経営継続の取組に係る機械装置等の整備に要する経費等に対して、補助金を交付することとされている。そして、経営継続の取組に要する経費の合計の6分の1以上は、非接触型の生産・販売への転換等に資する取組(以下「接触減等の取組」という。)として、生産・出荷現場で作業員間の接触を減らすための省力化機械等の導入等の取組を実施する経費とすることとされている。また、経営継続補助事業以外の国の補助事業(以下「他の補助事業」という。)の対象として整備等を行うものについては、補助対象事業費に含めないこと(以下「重複受給禁止要件」という。)とされている。

6事業主体は、令和3年度に、経営継続の取組に係る機械装置の整備等を事業費計22,110,120円(国庫補助対象事業費同額)で実施したとして、会議所から補助金計6,043,592円(国庫補助金相当額同額)の交付を受けていた。

しかし、6事業主体は、機械装置の整備に要した経費について、既に他の補助事業である高収益作物次期作支援交付金事業の交付対象事業費として、同交付金の交付を受けていたため、重複受給禁止要件に該当していた。また、このうち1事業主体については、上記機械装置の整備に要した経費が経営継続補助事業の補助対象事業費から除かれることにより、経営継続の取組に要する経費の合計に占める接触減等の取組に要する経費の合計の割合が6分の1未満となるため、経営継続の取組等に要する経費の全額について経営継続補助事業の対象となる要件を満たしていなかった。そして、会議所は、6事業主体からの実績報告書の提出時に、重複受給禁止要件の確認を行わないまま、経営継続補助事業による補助金の交付を行っていた。

したがって、これらの機械装置の整備に要したとした経費は、本件補助事業の補助対象とは認められず、経営継続補助事業の補助対象事業費22,110,120円に係る補助金6,043,592円(国庫補助金相当額同額)が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、6事業主体において高収益作物次期作支援交付金事業が重複受給禁止要件に該当することの認識が欠けていたこと、会議所において重複受給禁止要件についての確認が十分でなかったこと、農林水産省において会議所に対する指導が十分でなかったことによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

事例

事業主体である有限会社千姓は、経営継続の取組等に必要とする経費計3,661,756円(うち接触減等の取組として移植機及び掘取機の整備に要した経費981,800円)を補助対象事業費として、会議所から補助金1,043,592円(うち移植機及び掘取機に係る補助金271,352円)の交付を受けていた。

しかし、同社は、上記の移植機及び掘取機の整備に当たり、高収益作物次期作支援交付金事業による交付金の交付を既に受けていた。これは、重複受給禁止要件に該当するため、上記の移植機及び掘取機の整備に要した経費981,800円は補助の対象外となる。そして、上記の移植機及び掘取機の整備は接触減等の取組であることから、経営継続の取組に要する経費の合計に占める接触減等の取組に要する経費の合計の割合が6分の1未満となるため、補助対象事業費3,661,756円は全額が補助の対象とはならず、上記の補助金1,043,592円は交付の必要がなかった。