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  • 令和4年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • (1) 補助金が過大に交付されていたもの

福島県における再生可能エネルギーの導入促進のための支援事業費補助金で実施した委託業務の内容に変更が生じたのに、委託料の額の変更を行わなかったため、補助金が過大に交付されていたもの[資源エネルギー庁](224)


(1件 不当と認める国庫補助金 2,173,329円)

 
部局等
補助事業者
(所在地)
間接補助事業者
(所在地)
補助事業
年度
事業費
補助対象事業費
左に対する国庫補助金交付額
不当と認める補助対象事業費
不当と認める国庫補助金相当額
千円 千円 千円 千円
(224)
資源エネルギー庁
福島県
〈事業主体〉
福島県における再生可能エネルギーの導入促進のための支援
2 4,961
(4,961)
4,961 2,173 2,173

この補助事業は、福島県における再生可能エネルギーの導入を促進し、内外の経済的社会的環境に応じた安定的かつ適切なエネルギー需給構造の構築を図ることを目的として、風力発電設備のメンテナンスを行うための拠点(以下「メンテナンス拠点」という。)に係る調査及び検討等に係る業務(以下「本件委託業務」という。)を福島県が公益財団法人福島県産業振興センター(以下「センター」という。)に委託料4,961,000円で委託して実施したものである。

同県は、本件委託業務に係る契約の締結に当たっては、地方自治法(昭和22年法律第67号)等の規定に基づき随意契約によることとして、センターから見積書を徴し、見積書の金額をそのまま委託料としていた。委託契約書及び仕様書によれば、本件委託業務の内容は、国内外のメンテナンス拠点等を訪問して実地調査を行うこと及びふくしま風力メンテナンス拠点化検討協議会(以下「協議会」という。)を設置して、メンテナンス拠点の整備に向けた検討を行うこととされており、上記見積書の金額には、国内外のメンテナンス拠点等を訪問するための旅費、協議会の開催に当たり使用する会議室の借上料等が計上されていた。また、委託契約書によれば、本件委託業務の内容を変更し、委託料の額を変更する必要があると認めるときは、同県とセンターが協議して書面により変更後の委託料の額を定めることとされていた。

そして、同県は、本件委託業務の完了後の令和3年4月に前記の委託料4,961,000円をセンターに支払い、同年9月に同額を補助対象事業費として実績報告を行い、これにより同額の国庫補助金の交付を受けていた。

しかし、同県とセンターは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を踏まえて、本件委託業務の内容の変更について協議し、国内外のメンテナンス拠点等への訪問を見送るとともに、会議室の借上げを行わずにウェブ会議の方法により協議会を開催するなどしていて、本件委託業務に要した経費は、上記の委託料を大幅に下回っていた。このため、同県は、本件委託業務の内容の変更に伴い、センターと協議して委託料の額を変更する必要があったのに、これを行っていなかった。

したがって、本件委託業務の実績に基づいて委託料の額を変更したとして適切な補助対象事業費を算定すると、計上漏れとなっていた人件費1,683,713円を考慮しても2,787,671円となり、前記の補助対象事業費4,961,000円との差額2,173,329円が過大となっていて、これに係る国庫補助金相当額2,173,329円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同県において、本件委託業務の内容の変更に伴い、センターと協議して委託料の額を変更する必要性についての認識が欠けていたことなどによると認められる。