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  • (3) 補助事業により取得した財産の処分に係る手続が適正でなかったもの

都市計画道路用地について承認を受けずに財産処分を行い、使用料に係る国庫納付を行っていなかったもの[茨城県](258)


(1件 不当と認める国庫補助金 70,541,756円)

 
部局等
補助事業者等
(事業主体)
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等交付額
使用を許可していた年度
収納した使用料
左のうち国庫補助金等相当額
不当と認める使用料
不当と認める国庫補助金等相当額
千円 千円 千円 千円
(258)
茨城県
守谷市
都市構造再編集中支援
3 195,612
(146,080)
69,504 146,080
(146,080)
69,504
3、4 2,170 1,037 2,170 1,037
70,541

この補助事業は、令和3年度に、守谷市が都市計画道路坂町清水線を新設するための道路用地として、土地1,995.59㎡(うち国庫補助対象面積1,473.3㎡)を事業費195,612,972円(国庫補助対象事業費146,080,702円、国庫補助金交付額69,504,753円)で取得したものである。

補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号。以下「補助金適正化法」という。)第22条の規定等によれば、補助事業者は、補助事業により取得した財産を補助金の交付の目的に反して貸し付けるなどするときは、当該補助事業を所掌する各省各庁の長の承認を受けなければならないことなどとされている。そして、「都市局所管補助事業等に係る財産処分承認基準について」(平成20年国都総第2449号国土交通省都市・地域整備局長通知)によれば、補助事業により取得した財産を有償で貸し付けるなどの財産処分の承認に当たり、必要な場合には、貸付けにより生ずる収益額のうち国庫補助金相当額(貸付けにより生ずる収益額に用地取得時の補助率を乗ずるなどして算出される額。以下同じ。)について国庫納付を行うことなどの条件を付すこととされている。

しかし、同市は、補助事業で取得した道路用地について、上記の承認を受けずに、4年3月から5年3月までの間、民間会社に対して駐車場用地として使用を許可していて、補助金適正化法第22条の貸付けに当たる財産処分を行っていた。そして、同市は、これにより使用料2,829,897円(国庫補助対象面積分に係る使用料2,170,396円)を収納していたため、本来はこのうち国庫補助金相当額1,037,003円について国庫納付の条件が付される場合に該当するのに、国庫納付を行っていなかった。

したがって、本件道路用地に係る国庫補助金交付額69,504,753円及び収納した使用料のうち国庫補助金相当額1,037,003円は財産処分に係る手続が適正でなく不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同市において補助事業で取得した道路用地の財産処分に当たり法令等に基づき適正な手続をとるべきことの認識が欠けていたこと、茨城県において法令等に基づいて財産処分を行うことについての同市に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。