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  • 令和4年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • (5) 工事費の積算が過大となっていたもの

二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金により実施した事業において、ヒートポンプ設置費の積算が過大となっていたもの[環境本省](271)


(1件 不当と認める国庫補助金 1,800,000円)

 
部局等
補助事業者等
間接補助事業者等
(事業主体)
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
千円 千円 千円 千円
(271)
環境本省
一般財団法人環境イノベーション情報機構
鹿児島県出水郡長島町
二酸化炭素排出抑制対策
29 178,254
(170,420)
113,613 2,700
(2,700)
1,800

この補助事業は、地方公共団体が保有する施設の省エネルギー化のための省エネルギー設備等の導入を行う事業(以下「導入事業」という。)として、長島町が町営のレジャー施設である太陽の里において、二酸化炭素の排出削減のためにヒートポンプの設置等を実施する「レジャー施設太陽の里設備更新工事」(以下「本件工事」という。)等3工事(以下「3工事」という。)を事業費178,254,000円(補助対象事業費170,420,710円、補助金交付額113,613,000円、国庫補助金相当額同額)で実施したものであり、このうち、本件工事の工事費は98,280,000円となっている。

環境省は、導入事業の実施に当たり、事業主体から提出された交付申請書の受理、交付の決定、実績報告書等の審査、補助金の交付等の事務を公募により選定した者に行わせており、平成29年度については、一般財団法人環境イノベーション情報機構(以下「機構」という。)が選定されている。そして、同町は、本件補助事業について、機構に実績報告書を提出して、機構から補助金の交付を受けていた。

同町は、本件工事の予定価格の積算に当たり、ヒートポンプ1基当たりの設置費(以下「設置単価」という。)について、ヒートポンプ本体の機器費3,285,200円、労務費768,320円及び労務費に一定の率を乗じたその他経費176,713円を合算するなどして4,230,200円と算出し、これに設置基数7基を乗じて、ヒートポンプの設置費を計29,611,400円と算定していた。

しかし、同町が、設置単価の算出に用いた労務費768,320円は、ヒートポンプ1基当たりの作業人日数5.6人日に1日当たりの労務単価19,600円を乗じて算出すべきところ、誤って、作業人日数を上記の5.6人日にヒートポンプの設置基数である7基を乗じた39.2人日とし、これに1日当たりの労務単価19,600円を乗じて算出したものであり、適正な作業人日数を用いて算出した設置単価は3,420,200円であった。

したがって、適正な設置単価を用いて本件工事の工事費を修正計算すると95,551,000円となり、3工事に係る事業費は175,525,000円となることから、本件事業費178,254,000円はこれに比べて約270万円割高となっていて、これに係る国庫補助金相当額1,800,000円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同町において本件工事の工事費の積算内容に対する確認が十分でなかったこと、機構において実績報告書の審査が十分でなかったことなどによると認められる。