義務教育費国庫負担金(以下「負担金」という。)は、義務教育費国庫負担法(昭和27年法律第303号)に基づき、国が都道府県又は政令指定都市(以下「都道府県等」という。)に対して交付するものであり、その額は、都道府県等の実支出額と政令に基づいて都道府県等ごとに算定した額(以下「算定総額」という。)とのいずれか低い額の3分の1となっている。算定総額の算定に用いる算定基礎定数は、都道府県等ごとに標準学級数(注)等を基礎として算定した基礎定数に、都道府県等における教育上特別の配慮を必要とする事情等を考慮して文部科学大臣が定める数(以下「加配定数」という。)を加えることにより教職員の定数(以下「標準定数」という。)を算定して、更に休職者等の実数等を加えるなどして算定することとなっている。そして、都道府県等は、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」(昭和33年法律第116号。以下「標準法」という。)等に基づき、標準定数を再任用による短時間勤務教職員や非常勤講師等の常勤以外の教職員(以下「短時間教職員」という。)の数に換算して、常勤の教職員の数として決定された加配定数を活用して短時間教職員を配置できることとなっている。その場合、換算しようとする標準定数と、短時間教職員の一週間当たりの通常の勤務時間数による区分ごとに、当該勤務時間数に当該区分に係る短時間教職員の数を乗じて得た数の合計数を40で除するなどした数とが等しくなるように換算することとなっている(以下、常勤の教職員の数に換算した後の加配定数に相当する教職員の数を「加配相当教職員数」という。)。
しかし、3県及び2市において、加配定数に相当する教職員として短時間教職員を配置した場合に、標準法等の規定とは異なる方法で換算していたことにより加配相当教職員数を過大に算定している事態が見受けられた。
したがって、文部科学省において、都道府県等が加配相当教職員数の算定を適正かつ適切に行うことにより、加配定数が効率的に配分され、適正な算定基礎定数に基づき負担金の交付が適切に行われることとなるよう、加配定数に相当する教職員の配置実績を文部科学省が確認するための様式(以下「加配定数調」という。)等に具体的な換算方法を記載するなどして、短時間教職員を配置した場合の加配相当教職員数の算定方法を都道府県等に対して周知するよう、文部科学大臣に対して令和6年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、文部科学本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、文部科学省は、本院指摘の趣旨に沿い、都道府県等が加配相当教職員数の算定を適正かつ適切に行うことにより、加配定数が効率的に配分され、適正な算定基礎定数に基づき負担金の交付が適切に行われることとなるよう、7年4月に、加配定数調について短時間教職員の数から加配相当教職員数への具体的な換算方法を図示して記載するなどの改訂を行い都道府県等に対する事務連絡によりこれを示すとともに、都道府県等の担当者会議を開催し加配定数調の改訂の趣旨等を説明して、短時間教職員を配置した場合の加配相当教職員数の算定方法を都道府県等に対して周知する処置を講じていた。