文部科学省は、GIGAスクール構想の一環として、公立学校情報機器整備費補助金交付要綱等に基づき、地方公共団体等に対して公立学校情報機器整備費補助金を交付している。同補助金の交付対象事業のうち、「公立学校情報機器購入事業」及び「公立学校情報機器リース事業」は、都道府県、市町村等(以下、これらを合わせて「事業主体」という。)が学習者用コンピュータ(以下「端末」という。)を整備するものである。そして、公立の高等学校、中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部(以下、これらを合わせて「高校」という。)を対象とするもの(以下「補助事業」という。)の補助対象経費は、高校生等奨学給付金を受給しているなどの世帯(以下「奨学給付金等受給世帯」という。)の生徒に貸与等するための端末の新規整備等に要する経費とされている。
しかし、補助事業により整備した端末(以下「補助端末」という。)について、事業主体において、奨学給付金等受給世帯等の生徒への貸与が低調となっていて、今後も貸与が見込まれないものも多数ある事態が見受けられた。
したがって、文部科学大臣に対して令和6年10月に、会計検査院法第36条の規定により次のとおり意見を表示した。
ア 奨学給付金等受給世帯等の生徒への貸与の妨げとならない範囲で補助端末の生徒への貸与を促進するために、貸与の対象等を見直すなどの方策について検討し、その結果を踏まえ、事業主体に対して、参考となる情報を提供すること
イ 高校の学校現場等において補助端末の有効活用を図るための用途や方法を検討し、その結果を踏まえ、事業主体に対して、生徒への貸与が見込まれない補助端末の適切な活用方法について情報を提供すること。また、これによっても活用することが困難な場合は、適宜同省と相談の上、その取扱いを検討するよう事業主体に周知すること
本院は、文部科学本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、文部科学省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。
ア 奨学給付金等受給世帯等の生徒への貸与の妨げとならない範囲で補助端末の生徒への貸与を促進するために、貸与の対象等を見直すなどの方策について検討し、その結果を踏まえ、7年2月に事務連絡を発して、奨学給付金等受給世帯等以外の生徒でも貸与を希望する生徒には補助端末を貸与することが可能であることに加えて、生徒が学校に持参している私物の端末が故障した場合の代替機として利用するなどの貸与の促進の方策例を事業主体に周知した。
イ 高校の学校現場等において補助端末の有効活用を図るための用途や方法を検討し、その結果を踏まえ、アの事務連絡により、生徒への貸与が見込まれない補助端末の適切な活用方法についての情報として、生徒への貸与以外の用途に活用することが可能であることに加えて、学校図書館において利用するなどの有効活用の方策例を事業主体に周知した。また、当該事務連絡等により、上記の方策によっても活用することが困難な場合には、必要に応じて同省に相談の上、その取扱いを検討するよう事業主体に周知した。