• 令和6年度
  • 第3章 個別の検査結果
  • 第1節 省庁別の検査結果
  • 第9 国土交通省
  • 不当事項
  • 補助金
  • (3)補助事業により取得した財産の処分に係る手続が適正でなかったもの

防災集団移転促進事業により整備した住宅敷地について承認を受けずに財産の処分を行い、譲渡額に係る国庫納付を行っていなかったもの[宮城県](208)(209)


(2件 不当と認める国庫補助金 70,296,500円)

 
部局等
補助事業者等
(事業主体)
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(208)
宮城県
仙台市
東日本大震災復興交付金(防災集団移転促進)
24~28 44,832,570
(44,832,570)
39,228,486 7,440
(7,440)
6,509
(209)
気仙沼市
平成24~令和3 48,152,878
(48,152,878)
42,083,307 217,975
(217,975)
63,787
(208)(209)の計 92,985,448
(92,985,448)
81,311,793 225,415
(225,415)
70,296

仙台、気仙沼両市は、東日本大震災復興交付金の交付を受けて造成した基金(以下「復興交付金基金」という。)を取り崩すなどして、東日本大震災復興特別区域法(平成23年法律第122号)に基づく事業を実施している。同法に基づく事業には、東日本大震災により被災した地域において、住民の居住に適当でないと認められる区域内にある住居の集団移転を促進する防災集団移転促進事業(以下「防集事業」という。)があり、両市は、防集事業として、平成24年度から令和3年度までの間に、事業費計92,985,448,147円(復興交付金基金取崩額計81,311,793,000円)で移転先となる1,542区画の住宅敷地の整備を行うなどしている。

補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)第22条の規定等によれば、補助事業者等は、補助事業等により取得した財産を補助金等の交付の目的に反して譲渡するなどするときは、当該補助事業等を所掌する各省各庁の長の承認(以下「処分承認」という。)を受けなければならないことなどとされている。そして、東日本大震災復興交付金基金交付要綱(平成24年国官会第2412号国土交通事務次官通知)によれば、地方整備局長等は、処分承認に当たり、必要な場合には、国庫納付等を条件として付すこととされており、地方公共団体が防集事業により貸付区画として整備した住宅敷地を有償で譲渡する場合は、処分承認の条件として、譲渡額のうち復興交付金基金取崩相当額を国庫納付することとされている。

仙台、気仙沼両市は、貸付区画として整備した住宅敷地計158区画について、整備後に有償で譲渡しており、このうち140区画については、処分承認を受け、必要な国庫納付を行っていた。しかし、仙台市1区画、気仙沼市17区画、計18区画(当該区画に係る事業費計225,415,597円、復興交付金基金取崩額計197,231,000円)については、平成27年度から令和3年度までの間に、処分承認を受けずに防集事業対象者に有償で譲渡(譲渡額計88,065,978円)しており、譲渡額のうち復興交付金基金取崩相当額計70,296,500円について国庫納付を行っていなかった。

したがって、上記の18区画に係る譲渡額のうち復興交付金基金取崩相当額70,296,500円(交付金相当額同額)は、財産の処分に係る手続が適正ではなく不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、仙台、気仙沼両市において、防集事業により貸付区画として整備した住宅敷地の譲渡に当たり、財産の処分に係る手続についての確認が十分でなかったことなどによると認められる。

((209)については、前掲の総務省の項「0064震災復興特別交付税の額の算定に当たり、交付対象事業費の算定が適切でなかったなどのため、同交付税が過大に交付されていたもの」参照)